日菜「~~♪」ルンルン

紀子「…………ねえヒナ」

日菜「何~?」

紀子「何をそんなに浮かれてるのさ」

日菜「ふっふっふ、よく聞いてくれたねノリちゃん!」

紀子「?」

日菜「遂に来月! 咲-Saki-本編第17巻が発売されるのだ!」

紀子「……うん、知ってるけど」

日菜「17巻だよ! ヒナの巻だよ! 私の時代だよ!!」

紀子「…………はい?」



日菜「きっと近いうちにね! おかっぱ黒セーラー服の神様が写真撮影に連れてってくれるの!」

紀子「なんじゃそら」

日菜「表紙写真の撮影だよ! 17巻の表紙!」

紀子「…………なんであんたを」

日菜「17巻なんだから! これはもう私、ヒナさんが表紙で決まりでしょ、常識的に考えて!」

紀子「…………あのさあ」



紀子「いくら17巻だからって、あんたが表紙になるわけないじゃんか」

日菜「なんでさ! 1と7ならヒナだよ! 私しかいないでしょ!」

紀子「まずそんな決め方しないって」

日菜「こないだ友達になった久さんから聞いたもん! 13巻のときは久さんがそうだったって!」

紀子「たまたまじゃないのかなー」



紀子「彼女はそもそも、誕生日から11(竹)月の13(ひさ)日でしょ? 目のかけられ方が違うって」

日菜「一緒だよ! 私と久さん友達だもん!」

紀子「こないだなったばっかりでしょ」

日菜「こないだでも友達は友達!」

紀子「おかっぱ黒セーラー服の神様は知らない話でしょうそれ」



日菜「もー、なんでそんなにネガティブなのさー」

紀子「あんたがポジティブ過ぎなんだよ」

日菜「ノリちゃんだって、私が表紙になれば一緒に写れるかもしれないんだよ?」

紀子「皮算用だな……」

日菜「なーにさー。そんなこと言ってると、やえちんや良子ちゃんに代わってもらっちゃうぞー」

紀子「自分で決められる気でいるのが不思議だよ」



紀子「じゃあひとつ聞くけどさ」

日菜「うん」

紀子「あんたどれくらい出てるの?」

日菜「えっ」

紀子「どれくらい出演しているの、って。17巻の収録分に」

日菜「…………それは…………」



紀子「表紙って大体さ、その巻で出番が多かった人とか関連の深い人になるんじゃないかな」

日菜「……そうじゃないことだってあるもん……」

紀子「いいからさ。覚えてる限りでいいから、出演回数は?」

日菜「…………ゼロ…………です…………」

紀子「じゃあ無理だよ普通は」

日菜「うう……」



紀子「もっと言えばさ」

日菜「……うん」

紀子「……私たち、おかっぱ黒セーラー服の神様に一度でも描いてもらったことある?」

日菜「えっ」

紀子「えっ」



日菜「…………無かったっけ?」

紀子「……少なくとも、私は知らない」

日菜「だって、創造神だよ? 私たちをつくった神様なんだよ?」

紀子「でも私たちを世に出してくれたのは播磨の鉈姫じゃん」

日菜「……それを言うなら播磨の虎だよ。虎姫って言うなら白糸台のことだし」

紀子「そうとも言うかな」

日菜「あっ、播磨の鉈タヌキだったっけ?」

紀子「因幡の白ウサギみたいに言わないの」



紀子「ともかく。創造神って言ったって、私たちとは縁遠い存在だよ」

日菜「うぅ~~」

紀子「そんな神様が大切な表紙のためにご足労かけてくれるわけないじゃん」

日菜「でも…………」

紀子「諦めなって」

日菜「そ、それならさ! その播磨の鉈姫様に頼んでやってもらえば!!」

紀子「単行本表紙を代筆なんてしたらさすがに大問題でしょう」

日菜「鉈姫様が今描いてるやつの新刊も同時発売なんでしょ? いけるよ!」

紀子「そっちの舞台は昔の話。私ら居たとしたって3歳だよ」

日菜「うぅ……」



紀子「そもそもさ」

日菜「?」

紀子「11月新刊のお知らせって、ちゃんとよく見た?」

日菜「えっ?」

紀子「ここに載ってる人が新刊の表紙だよね? だったらもう決まっちゃってるんじゃないの」

日菜「えっ……画像出てるの……」

紀子「うん」

日菜「わ、私の写真!?」

紀子「違うよ」

日菜「えっ、じゃあ表紙撮影は!?」

紀子「終わっちゃったんじゃないかな、もう」

日菜「!!!」ガーン



日菜「ひどい……ひどいよノリちゃん……」

紀子「私のせいかよ」

日菜「サラッと言い過ぎだよ……。もうちょっとじらすとかためるとか……」

紀子「知らんがな」

日菜「私の夢や希望が…… 一瞬で潰えちゃったよ……」

紀子「仕方ないってば」

日菜「しょんなぁ……」



日菜「……よーし、こうなったら実力行使だよ!!」

紀子「えっ」

日菜「神様と勝負して、勝って表紙を変更してもらおうよ!」

紀子「勝負って」

日菜「麻雀勝負だよ!! 表紙の人と神様vs私たちの2対2で!!」

紀子(えっ、私が頭数に入ってる)

日菜「麻雀で勝ったなら、神様だってお願いを聞いてくれるよね! 麻雀こそ世界の法だよ!」

紀子「……まあそれはわかんないけどさ。なんで私も」

日菜「私たちだって、阿知賀に勝ってたら奈良代表だもん! 麻雀勝負なら負けないよ!」

紀子「聞いてってば」



日菜「それじゃ、表紙の人に会いに行こう! 宣戦布告だよ!!」

紀子(えぇー)

日菜「17巻の表紙は! 私じゃなければ誰なのかな!?」

紀子「……それは、ここに載ってるけど……。あっ」

日菜「?」

紀子「…………宮永咲だけど」

日菜「えっ」



日菜「…………」

紀子「…………」

日菜「…………」

紀子「…………」

日菜「…………」

紀子「…………」



日菜「…………わかったよ。友達と敵対するわけにはいかないもん」

紀子「強いからな彼女」

日菜「咲ちゃんだって、久さんと一緒に友達になったんだ。友達の悲しむ顔は見たくないよね」

紀子「強いからな彼女」

日菜「……それに、年下なんだし。先輩としては譲ってあげる器量も大切だよね」

紀子「強いからな彼女」



日菜「…………の方は」

紀子「ん?」

日菜「……鉈姫様の方は……?」グスン

紀子(目をそらしたね……)

日菜「鉈姫様も新刊出すんだよね? そっちから勝負してなんとか……」

紀子「……まだ勝負するつもり?」

日菜「……表紙は諦めきれないもん……」

紀子「(私を巻き込まなければ)まあいいけどさ……。そっちの表紙は…………あっ」

日菜「?」

紀子「…………椋プロだ」

日菜「えっ」



日菜「椋プロって……、あの椋千尋プロ?」

紀子「うん、高校時代の」

日菜「高校時代って……。『千里山(せん)の千尋の神国士』って恐れられた、あの神域の国士無双の?」

紀子「うん」

日菜「…………」

紀子「…………勝てそう?」

日菜「…………」フルフル



日菜「…………」

紀子「…………」

日菜「…………もう一冊……新刊出す神様いたよね……」

紀子「……やめときな」

日菜「…………どうして」

紀子「それこそ一番勝てないよ」

日菜「…………何が」

紀子「おもち」

日菜「…………」

紀子「…………」

日菜「…………小5?」

紀子「小5」

日菜「…………」(´;ω;`)


カン





2017/11/02 追記

日菜「ノリちゃん! 見て見てこれ!!」ガタガタッ

紀子「……何」

日菜「17巻の表紙! 宮永咲ちゃんじゃなかった! 公式サイトの最新情報だよ!」

紀子「あーそうなの。…………それで?」

日菜「新道寺の鶴田さんだよ! これならがんばったら咲ちゃんよりは勝てるかも!!」

紀子「…………まだ諦めてなかったの」

日菜「当然だよ! 絶対神様と勝負して変えてもらうんだ!」

紀子「……その気持ちはいいけどさ」

日菜「うん!」

紀子「…………なんで鎖を持ってるの」

日菜「?」

ジャラッ



日菜「もちろん! 鶴田さんと言えばリザベーション!」

紀子「……だからあんたが鎖を持ってる意味は」

日菜「対抗するならこっちもリザベーションだよ! 和了り飜数が倍になるんだよ!」

紀子「…………やるつもり?」

日菜「うん!」

紀子「……できないでしょ?」

日菜「やってみなくちゃわかんないよ! 何事もチャレンジしなきゃ!」

紀子「…………」

日菜「…………」ワクワク

紀子「…………誰が縛られる役するの」

日菜「もちろん、ノリちゃ「却下」

日菜「…………えぇー」

紀子「却下」


もいっこカン




こないだ友達になった話
木村日菜(晩成高校)「咲×日×和、かあ…」

2017/10/28