紅葉真っ盛りの11月3日、関山街道フォーラム協議会が主催する「関山隧道&嶺渡り 宮城側周回コース探訪会」に参加してきた。本来の目的はコースの刈払い整備であるが、私は事前の取材を兼ねての参加である。

【 11╱3 関山嶺渡り(800m) 宮城・二口山塊 】
スノーシェッド手前の駐車場~坂下境目御番所跡~旧道~関山隧道~県境稜線~恐竜の骨~やらい張りし所~嶺渡りコース分岐~やらい張りし所~大峠(日向山?)~嶺渡りコース分岐~大ぶな~旧道のアルミ梯子設置箇所~大ぶな~嶺渡りコース分岐~大峠(日向山?)~羽後の国展望所~くぼ地~山形側嶺渡り登山口~デポ車

今回のコースは宮城県側の周回ルートであったが、それでは嶺渡りの取材にならないので、私の車を山形県側の登山口手前にデポし、宮城県側のスノーシェッド駐車場まで送ってもらった。
機械式の草刈機3台とチェンソー2台、機械化されていない方は私を含めて鎌、ノコギリ、剪定ハサミを持参して出発する。
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駐車場下の広瀬川を渡渉する。
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しばらく広瀬川右岸に続く道をたどる。
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坂下沢と広瀬川が二股になっている所に位置する坂下境目御番所跡に着いた。
写真は古道の整備にご尽力されている関山街道フォーラム協議会の10名の方々。
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坂下境目御番所にて通行人は改めを受け、嶺渡り二里と称された関山越えの急坂を背負子により荷物を運搬したと言われている。

番所跡からロープが設置された急坂を登る。
本来の古道は右手の斜面を九十九折りで登ったらしい。
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付近は紅葉の真っただ中。
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旧国道で峯渡りの古道は断ち切られているが、法面上部の崩壊が進み危険なので、100mほど左手に旧国道を歩いた地点にアルミ梯子が設置されている。
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この先、旧国道を関山隧道まで刈払いを行いながら歩く。
坂下沢側の紅葉が素晴らしい。
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しばらく道の山側は昭和初期に作られた土留めの石垣が続く。
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道が左に回り込むと関山隧道は近い。
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明治15年に開通した関山隧道。
現在は鉄の柵が作られていて内部には入れない。
昭和40年ごろまで女の幽霊が出ると恐れられていたが、新国道の関山トンネルが開通してその話は聞かなくなった。
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隧道一帯の整備が終わり、皆で記念写真。
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隧道広場から左手の急斜面に取り付く。
春に少し整備をしたと聞いていたが、ほとんど薮化して、一般登山者では鉈目を探すにも困難な感じがした。

支尾根に乗り上げると薄い踏み跡が分かる。
意外と簡単に県境の稜線に出た。
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県境稜線を北上し始めてまもなく、ロープが設置された急坂が現れる。
山形県側がスッパリと切れ落ちていて、その鞍部の下に関山隧道が通過している。
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山形県側の稜線の崩壊が激しく、土が消失したところは木の根がオブジェのように絡み合っている。
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このヤセ尾根部分は恐竜の骨と呼ばれているらしい。
骨の下の土は崩落して失われている。
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骨に目をとられて下ばかり見ていたが、ふと視線を上げると、雪を被った月山の一部が見えていた。
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カエデ類の紅葉は今が見ごろ。
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下草がほとんどない稜線西側の斜面をたどると、平坦な開けた場所に出た。
ここが本来の嶺渡りの峠頂になる「やらい張りし所」と言うところだった。
やらい矢来】とは竹や丸太を縦横に粗く組んで作った仮の囲いを指し、昔は仮小屋でも建っていたのであろう。
マロ7さんが春に設置した看板が、見事に熊に粉砕されてしまい、皆でそれを見ている模様。
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と言う事は標高800mの大峠(日向山?)には江戸時代の嶺渡りのルート外なので、ガイド文を書くとすると、どういったルートが望ましいが確認して見た。
やらい張りし所から山形県側へ下る古道の整備は終わっていないとの事なので、坂下境目番所跡から旧国道~大ぶな~やらい張りし所~標高800mの大峠(日向山?)、そして山形県側に下っていくルートを紹介するのがいいだろう、となった。

一応、やらい張りしところから宮城県側に斜めに下る古道部分を一人でつないでみる。
この部分は二口の清水峠東側に似て、古道の雰囲気が一番残っている感じがした。
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大峠に登る分岐からやらい張りし所へ引き返す。
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県境稜線の笹薮地帯を整備する先行組に追いつく。
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この笹薮地帯は南側の展望が開け、奥新川岳が一望できた。
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大峠山頂直下まで登ると、大東岳、面白山、その手前に険しい山容が印象的なワツ倉が見えている。
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大峠(日向山?)に到着。
山名板に関山とあるが、これは山名ではなく、これより東根市関山と言う意味である。
「北村山郡史」には「万治三年仙台ノ藩主広瀬川上流ナル坂下ヨリ、日向山二道路ヲ開キ、字小屋原二通ゼリ」と記されている。
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大峠にて軽くお昼をとり、私一人先行して嶺渡りコースを仙台側のアルミ梯子設置場所まで下る。
途中、シロヤシオの純林が出て来た。
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上部は枯れ色のブナ林。
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旧国道が近づいてくるとブナの黄葉の盛りになる。
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アルミ梯子を下って旧国道に出たところで少し休憩。
ここから大峠まで標高差250mを登り返す。
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尾根まで登り返したところで後続の皆さんとスライド。
大ぶなを実際見た感じに撮影するのは難しかった。
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古道の峠を歩くのは秋が一番。
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広瀬川対岸に聳える間倉山が大きい。
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この日、二度目の大峠山頂。
先が長そうなので休憩をとらずに通過した。
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山形県側のルートは下り始めが少し荒れた感じ。
しかし踏み跡ははっきりしているので迷うことなく歩ける。
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熊棚がある場所から黒伏山と白森が望めた。
熊もこんなに景色の良い場所で実を食べたら、さぞかし気持ち良かったであろう。
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少し左に回り込むと寒風山が見えた。
最近藪化が進んでいるらしい。
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少し標高を下げると紅葉ラインに入る。
この写真を撮る直前、南側の急斜面を駆け下る黒い獣の姿を目撃。
間違いなく熊のようだった。
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マロ7さんが名付けた羽後の国展望所からは堂木沢山が望めた。
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狭い尾根が続く嶺渡りでは珍しく、右手にくぼ地がある平地を通過する。
風が止まり、寒くない場所だったので、残りのおにぎりを食べ、コーヒーを飲んで休憩した。
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ミズナラの立枯れに少量ながらムキタケが生えている。
この後、彼方此方で少しずつ採ったらそこそこの量になった。
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今度は大きなカモシカに出遭う。

やがて太いアカマツが立ち並ぶ尾根を進む。
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何処までも続く紅葉の尾根。
山形側は見どころがあまりないと聞いていたが、これほど紅葉を堪能できれば十分だった。
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急坂をジグザグに下れば乱川の渡渉点に着く。
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山形県側の関山嶺渡り入口。
標識は熊に悪戯されることもなく健在だった。
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旧国道入口に停めた車に戻り、国道48号線を帰仙する。
熊ヶ根付近で渋滞になったので、大倉ダム経由で根白石に抜けて渋滞を回避した。

GPS軌跡。
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