万世大路の山形県側の栗子隧道に氷筍が見られると言う情報を得て、条件が良ければ栗子山にも登ろうと出かけてみた。実際に目で見た氷筍の規模と大きさにびっくり!
天気に恵まれ、栗子山を周回登山できて大満足の一日だった。

【 2╱24 栗子山(1217m) 山形・栗子山塊 】
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栗子山には2015年5月に2度目の登頂を果たして以来の再訪となる。
一番最初は2003年。当時は万世大路はほとんど知られておらず、かなり薮がかかった古道を歩いて栗子隧道に達した。県境までの踏み跡もほとんどなく、急斜面を藪漕ぎで登った記憶が残っている。

今回ご一緒するのはmorinoさん、maronnさん、モンキィさん、tammyさんの4名。
マスさんは前日から体調が優れず、残念ながら不参加となった。

東北道から国道13号線経由で米沢砕石への車道入口に着く。
この日は日曜日のため入口の少し先が重機で塞がれ、車の進入は出来なくなっていた。
平日夜間の午後5時から午前8時までの時間帯も構内に入れないらしい。

入口のダンプが停まっている駐車スペースに車を停めて歩きだす。
陽の光が刈安川対岸の山肌を照らし、半月が青い空に見えていた。
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この時の気温はマイナス2度。
とても厳冬期の2月とは思えない暖かさだ。

凍った約1.6kmのダート道を米沢砕石構内の事務所目指して歩く。
栗子川対岸の米沢スキー場のリフトは未だ稼働していない。
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事務所の建屋がある地点から右折すると、正面に端正な三角形をした1202m峰(杭甲山)が見えてくる。
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滝岩上橋を渡ると万世大路の約4kmの旧道歩きが始まる。
少し歩いたカーブの右の丘に判読不明の石碑が立っていた。
調べてみると、この場所は明治天皇がご休憩された地らしい。
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全て道は雪に埋まっているので、7つのカーブがあるななむずり(曲りの意味)を忠実にたどらず、適当にショートカットして進む。
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隧道の氷筍を見にきたと思われるトレース跡が、かなり残っている古道を進む
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古い石垣が残る橋を渡る。
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狭い谷間の道にようやく陽の光が差し込んできた。
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古い石垣が雪の間から出ていた。
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1202m峰(杭甲山)逆光のシルエットになって見えてきた。
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S字カーブを登ると、栗子山方面の景色が広がる。
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正面にようやく栗子隧道が姿を現した。
左側が昭和11年に完成した坑口、右側の影になって見えている所が明治14年に完成した初代の坑口である。
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アイゼンを付け、ヘッドライトを準備して最初は昭和期の隧道に入る。
入口から奥を見ると落盤した場所に太い氷柱が立っていた。
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氷柱の奥に氷筍の群れが立っている。
高さは一番高いもので1.6m程度、太さは10cm以上もあり、想像以上の見事さに驚く。
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氷筍の裏側に回り込んでみると、外の光が入って幻想的な光景を創りだしていた。
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一同歓声を上げながら氷筍に見入ってしまった。
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明治期の隧道に出来る氷筍はさらに凄いと言う。
右側の坑口まで行って、雪の丘から見下ろしたらびっくり!
こんな光景初めてみた。
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入口からずっと奥の方まで、まるで生き物のように、氷筍の群れがお話しているような感じで立っている。
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入口から先は氷筍を壊してしまうので入れない。
圧倒される氷筍群を目にして、興奮冷めやらぬ気持ちで抗口から出て来た。
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この時の時間は午前10時。
まだたっぷり時間に余裕があるので、アイゼンを付けたまま栗子山に登る事にした。

隧道入口から北へ平なずり出し道をたどる。
適当なところから右折してブナの森を登る。
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雪面がクラストしていたら危ないので引き返そうと思っていたが、適当にキックステップが利くほど雪が緩んでいるので、私がトップになりキックステップで深い足場を作りながら登る。
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1202m峰の鞍部を目指すのが正攻法の攻め方と思うが、最後がオープンバーンの急斜面になり、滑落の危険性が高いため、夏場の踏み跡通りのルートを採った。
この場合、急斜面は比高100m程度で、上部は早めに灌木帯に入るのが分かっていた。

一番急なところは飯豊の石コロビ雪渓の最上部ぐらいの傾斜があった。
ブナが低木化したところでようやく傾斜が緩む。
1202m峰(杭甲山)がかなり近づいてきた。
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上部の灌木帯に入る。
雪の踏み抜きが多く苦労するが、滑落の心配が無くなったので気楽に登れる。
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飯豊連峰や置賜平野の景色が一気に広がる県境稜線に到着
思ったより風が強く寒い。
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飯豊連峰の全景。
手前に水窪ダムが見えている。
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視線を右に振ると朝日連峰が望めた。
左の三角形の山は祝瓶山。
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栗子山南側の1200m峰への登り。
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振り返ると1202m峰(杭甲山)の奥に、吾妻連峰が南北に連なっている。
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写真中央付近が栗子山の山頂。
栗子山の名称は初代山形県令:三島通庸が、山の形が栗の実を逆さにした形に似ていることから付けたと言われている。しかし地元では昔から1202m峰のことを栗子山と呼び、その別名を杭甲山(くいこうやま)と称していたらしい。
国土地理院の一等三角点が設置された1217m峰の点名は栗子山。
1130mの南側にある三角点の点名は杭甲山となっていて、諸説様々な山名を持った山域と言える。
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三角点は雪に埋もれて所在が分からないので、この写真を撮った付近をこの日の山頂とする。
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雪が消えると背丈以上の灌木帯に取り囲まれ、展望が一切ない山頂であるが、積雪期は全方位の展望が開ける。
栗子山塊最高峰の七ツ森の奥に、蔵王連峰が結構近く見えている。
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朝日連峰と月山も望めた。
肉眼では霞む鳥海山も同定できた。
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蔵王連峰をバックに記念写真。
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腹が減ったので1200m峰手前の東斜面に少し下ってランチにした。
霧氷がついた木々に囲まれ、風を避けて快適な休憩場所だった。
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休憩後、霞む米沢市街地を眺めながら1200m峰を越える。
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1202m峰(杭甲山)鞍部から栗子隧道に戻ると、石コロビ雪渓並みの急斜面を下らねばならないため、安全を考えて1202m峰を越え、1130m峰、1087m峰まで縦走して、北西に伸びる支尾根を下るルートを採ることにした。
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中景右端に黒い帯になって下っている尾根がそれだ。

地形図を読むと傾斜は緩く、危険個所はほとんどない。
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ちょっと蟻の戸渡りから見た雁戸山に似ている1202m峰(杭甲山)が近づく。
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懸念していた1202m峰(杭甲山)北面の登りは、キックステップががっちり効いて快適に登れた。
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1202m峰(杭甲山)から振り返り見た栗子山
朝日連峰の鍋森辺りに似た感じの山容である。
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杭甲山から1130m峰を見下ろす。
明治時代には小杭甲と呼ばれていたらしい。
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1130m峰の鞍部までの下りは、かなりな急斜面だったが、灌木が繁茂していて怖くない。
いったん西側に少し下ってから鞍部まで直降した。
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鞍部から1130m峰を見上げる。
雪庇の崩壊が始まっているため、右手の灌木帯に何度も逃げながら登った。
午後の光に雪面がなめし皮のような光沢を放っていた。
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1130m峰から1202m峰(杭甲山)を振り返る。
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難場を越えたので、右奥に見える1087m峰まで気楽な稜線漫歩を楽しむ。
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途中、風を避けた平坦地でtammyさんお手製のケーキをいただく。
モンキィさんの誕生日お祝いで、クラッカーも登場した。
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コーヒーを飲み、のんびり休憩して出発。
1087m峰の東側に1202m峰(杭甲山)と、栗子山(左端)が同時に眺められる景勝地があった。
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1087m峰山頂で地形図を取りだし、下るべき方向を確認する。
ここで沢へ下ってしまうと厄介なことになる。

山勘で下っていったら自然に顕著な尾根に乗った。
後はブナの樹林帯を重力に任せて下るのみ。
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途中、左に派生する尾根に移る。
雪はかなり緩んできたが、アイゼンを付けたままで下った。
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白い兎wが走り下って行くのを眺めたりしながら下ると、万世大路の旧道に降り立った。
そこからまた支尾根をショートカットしたら、これは完全に失敗。
スギの植林地で藪がうるさいため、強引に左に逃げて万世大路に出た。

滝岩上橋を渡るとこの日の山行はほぼ終わり。
アイゼンを外して、1.6kmの泥濘んだ米沢砕石の車道を下る。
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帰りは賜の湯で山行の汗を流し、途中のスーパーで山形名物のあじまんを買って、大満足の一日だった。

GPS軌跡です。栗子山登山は雪山経験者の同行が必要です。
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