昨年の8月に発生した集中豪雨で山形県の最上地方は大きなな被害が発生した。
山に関しても、特に神室連峰と虎毛山の林道被害が甚大で、最上町の白川林道と西ノ又林道は今年になっても通行止めの状態が続いていた。
しかし白川林道に関しては林道の流された橋を洗い越し工法によってつくり直し、今年の8月6日に車の通行が可能になったと最上町役場のHPにて告知された。それ以降、登山道の刈払いの進捗具合を鑑みて、白川林道と神室山~小又山周回登山道の調査は秋が良いと考えていたが、なかなか週末と好天が合致しない。そのため雨と稜線での視界の悪さを予想しながらも、無理して10月第一週の日曜日に行かざるを得なくなった。

【 10/6 神室山(1365m)から小又山(1367m)山形・神室連峰 】
大又登山口~根ノ崎登山口~966m峰~小又山分岐~神室山~小又山分岐~天狗森~小又山~越途~大又登山口

今回の調査山行は天候が悪そうなので、私単独で歩くことにする。
宮城・山形県境を越えて最上町に入るが、雨は降り続けていて、根ノ崎登山口までの白川林道の確認で終わらせようという気持ちになってしまった。

白川左岸の窓塞の集落を抜け、白川対岸のキャンプ場がある渓流公園まで車を走らせると、渓流公園の駐車場入口から先の白川林道に三角コーンにてバリケードが設置されていた。その横に大きく工事車両以外通行止めの看板が立ててある。
最上町のHPや、山形県のやまがた百名山のHPに告知された、白川林道が通行可能という内容と現地の状態が大きくかい離している。
仕方なく、白川右岸に戻り、東ノ又沢方面に迂回する悪路の林道を通って白川林道に出た。
その迂回ルートは一般的に知られていないので地図で表示する。
道の両側から草が張りだした悪路である。
sirakawa



この現地の通行止めの処置に納得がいかないので、月曜日に最上町役場に確認してみた。
帰路、バリケードと看板があった渓流公園まで白川林道を走行してみたら、全く問題なく通過できた。
地元の軽トラが2台もこの道を走っていて、その方々はバリケードを横にずらして入っている模様だ。
最上町の担当の方は、現地の状態を全く確認しないで白川林道が通行可能と告知したらしい。
確かに現在も崩壊した西ノ又林道の工事は行われていて、工事車両が平日は引っ切り無しに通過するらしい。しかし、通行止め&バリケードがあったら登山者の誰もが引き返すであろう。
町の担当者は早急に現地を確認し、工事業者と協議の上、通行可能の処置をとると言質をとった。
但し、西ノ又林道の工事で大型の重機が入る場合、一時的に通行止めになる可能性は高いので、入山に当たっては最上町役場に確認の電話を入れた方が賢明である。

前置きが長くなってしまった。
白川林道は所々で段差があり、普通車ではあまりスピードを上げて走行できないが、問題なく大又登山口までは行けた。
しかし大又沢を渡る洗い越しの部分を見てびっくり。
以前は川の水がコンクリートの下を抜けていたが、沢床が上がってしまった関係から、文字通り洗い越し状態になっていた。水深は深いところで10cm程度なので車の走行はできる。でも雨や雪解け水で増水した時の渡渉は難しいかもしれない。
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大又登山口から林道を歩いて根ノ崎登山口に着く。
4年ぶりにここから入山する。
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足場の悪いへつり道を過ぎて小沢を渡ると、そこから先はステップの薄い急坂を一気に登る。
歩き始めると小降りだった雨が上がり、天気は一気に回復傾向にある一安心した。

しかし雨上がりのため湿度が高く、霧が立ち込めた急坂の登りで一気に汗が噴き出す。
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標高850m地点を過ぎると、谷に立ち込めた霧がどんどん薄くなって、冬路沢の対岸に軍沢岳が見えてくる。
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このルートは十里長峰と呼ばれ、幾つかの小ピークを急登・緩登を繰り返して越えていく。
ブナの森と東側の展望が開けた細い尾根筋が交互に現れ飽きさせない。
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966m峰付近でようやく神室山が見えてくる。
頂稜部には雲がまとわりついている。
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登る尾根筋はまだ紅葉時期には早いが、赤く色づいたサラサドウダンの葉が目に強烈の焼き付く。
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朝日が差し込む深い谷筋
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1160mの県境のピークが近づいてくると、ようやく軍沢岳が目線の高さになってきた。
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県境に出ると、役内沢源頭の雪食地形が顕著な神室山がその全貌を見せてくれる。
しかし役内沢から湧き上がるガスに少し隠れていて、待っていてもガスは完全には飛んでくれなかった。
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尾根の南側は根ノ崎沢へ一気に切れ落ちている。
この頃が一番晴れていて、これから周回する小又山(左)と天狗森が迫力ある山襞をまとって聳えている。とても標高1300m台の山には見えない。
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標高1200m付近でようやく紅葉が盛りになってきた。
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急坂の登りの途中から見た小又山と天狗森。
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登ってきた急斜面を見下ろす。
一部道が崩落した地点は二重にロープが設置されていた。
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主稜線の小又山分岐に着く。
刈払い整備が万全だったのはここまで。
神室連峰の主稜線の整備は山形県が担当しているが、その整備度は粗く、草で見えない足元や、横から張り出した灌木が邪魔してスムースに歩けない。

神室山と神室山避難小屋が近づいてきた。
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役内沢を挟んでレリーフピークを見る。
この頃からガスがどんどん湧き上がってくるようになった。
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雲の中で視界がほとんどない神室山山頂に到着。
誰もいない静かな山頂でおにぎりを食べて少し休憩する。
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山頂一帯は紅葉が見ごろを迎えている感じだが、如何せんこんな雲の中では折角の美しい紅葉も暗いトーンでしか見えない。
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これから目指す小又山方面の展望もなくなってしまったため、後はガスの稜線を黙々と歩くのか、と少しうんざりした気分になって神室山山頂を後にした。
するとガスが少し飛んで、小又山分岐付近のピークが眼下に見えてきた。
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どうもこの時点で雲がかかっているのは神室山周辺だけだった感じがする。

小又山分岐から主稜線縦走路を下り始めると、灌木が繁茂した個所が刈払いされておらず、藪漕ぎ的な感じで一歩一歩下っていった。
すると縦走路の鞍部付近のヤセ尾根が見えてきた。
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十里長峰の西斜面は灌木の紅葉が盛り。
しかし今年は赤が少ない感じがする。
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主稜線は草地でも粗い刈払いのため、足場が良く見えない。
おまけに朝まで降っていた雨で所々滑るので、一歩一歩慎重に下った。

小又山山頂付近に纏わりついていた雲が取れたので、立ち止まって何枚も写真を撮る。
晴れた日より立体感ある絵が撮れるが、露光が難しい。
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根ノ崎沢のV字谷に光が差し込み、谷の深さを強調している。
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台山尾根と丸い台山。
標高1100m台の台山尾根の紅葉は一週間後が見頃か。
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天狗森から小又山へ伸びる主稜線。
神室連峰において一番魅惑的な縦走路と思う。
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縦走路の中で刈払いの状態が芳しくない部分はこんな感じ。
秋の日の短い時期なので、スタスタ歩けないのはストレスが溜まる。
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鞍部付近から神室山を振り返る。
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天狗森が近づいてきた。
ここから標高差200m弱の急坂が待っている。
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逆光かつ曇っているので、天狗森北西側の紅葉が沈んだトーンでしか見えない。
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天狗森の登りの途中、神室山を振り返る。
この頃になって漸く前神室山にかかっていた雲が飛んだ。
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ミネカエデの紅葉。
今年はドウダンなどの鮮烈な赤色がほとんど見えない。
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日差しが当たった神室山のアップ。
写真では分かり難いが、このとき山頂に人がいるのが分かった。
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天狗森の山頂は木々に囲まれ視界がないので、少し南に下ったこの地点でこの日二度目の休憩をとる。
目指す小又山が端正な三角形で聳えている。
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神室連峰の紅葉は稜線の西側のみ。
この付近で小又山山頂から女性の歓声が微かに聞こえた。
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北東側に位置する高松岳と山伏岳(左)。
ずっと雲に隠れていたのがようやく姿を現した。
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小又山に登ってから手前の越途ピークを通過する。
背後に禿岳がはっきり見えてきた。
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ここから小又山山頂まで標高差130mの急坂が待っている。
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北西斜面の紅葉。
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だいぶ遠ざかった神室山。
完全に陽の光が当たり、山頂付近を彩る紅葉の様子が分かってきた。
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北西には晴れていれば鳥海山が一望できるけど、この日は中腹より上部は雲の中。
手前の凸凹した丁山地の山々が逆に存在感を主張していた。
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小又山山頂直下の登りから天狗森(左)と神室山を振り返る。
雲が足早に流れていて、手前の紅葉ラインに光が当たるまでかなり待った。
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中央少し左が与蔵峠の三角点峰
左が酒田の胎蔵山。その左手に日本海の水平線が確認できた。
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そして小又山山頂に到着。
先ほど聞こえた女性の歓声は空耳だったか?
誰もいない静謐な山頂でカップ麺をすすり、ゆっくり休憩をとった。
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三角形の権現山の奥に最上盆地、更に中央奥に翁山が見えている。
泉ヶ岳と北泉ヶ岳も同定できたが、船形連峰は雲がかかって見えない。
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主稜線の南には、壮絶な雪食地形を見せる火打岳(右)と大尺山の斜面が印象的だ。
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稜線の手前は黒滝峰
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山頂部が紅葉で赤く染まる虎毛山の背後に、栗駒山がやっと姿を見せてくれた。
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これから下る越途ピークへの稜線
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雪田草原のイネ科の植物は草紅葉が始まったばかり。
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草原の下りは短く、直ぐに灌木帯からブナの森へ入っていく。
ブナの梢越しに小又山を振り返る。
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越途に登り返す。
この付近の白い樹肌のブナは何度見ても美しいと感じる。
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越途ピークの三叉路。
標柱から左が大又登山口への道。
現在通行禁止になっている右の西ノ又コースは、藪がうるさくなっている。
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越途から大又登山口へは超急斜面の尾根を標高差760m一気に下る。
途中のブナの森は美しいが、休憩に適した場所はあまりない。
三合目付近でツアー登山と思われる20名くらいのパーティに追いついた。
小又山の北側で聞こえた女性の声はこのパーティのものだったと納得。
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下り終盤の標高差150mの部分は、ロープがフィックスされた凄い急坂で、一歩一歩慎重に下る。
この部分で日が暮れたら非常に危ない。

午後3時半、車に戻った。
これで今年の山と高原地図の調査はお終い。
今年は週末に天気が悪い日が多く、調査の日程が押してしまってストレスが溜まる一年だった。

今後、来年の5月までは自分の登りたい山に自由に登れる。

GPS軌跡。(クリックで拡大)
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