【スカイワード 3】  マサト真希/橘由宇

ボクシングの試合かと思ってたらいきなりハイキックが炸裂したぐらいの仰天。
乗り合いバスに何気なく乗ったらいきなり峠でドリフト決められたぐらい吃驚。
化けも化けたり、近年稀に見る大化け。いや、二巻までも私は良質な物語で気に入っていただけに、今回の化けようにはやられたとしか思えんかった。
まさか作品の方向性がこんなところまでぶっ飛ぶとは、第一巻の爽快な物語を読み終えた時からは想像もしていませんでした。でも、続きが出せたなら最初からここまで書くつもりだったんでしょうね。アケルの母親のエピソードを一巻の発売前に短編で発表してたくらいですから。
いや、参った。いっそあざといくらいだけど、元々身の詰まった実のある文章を書ける人の書いたものだけに、ガツンと来た。ナナの決断も、最初から話がこうなると分かってたら最初から構えてただろうけど、まるでその様相を見せていなかっただけに、一巻二巻のナナという少女の人品の丹念な描写も相まって、他作品の同様の展開と比べてもその悲壮な覚悟が胸にズシンと来た。
戦争、戦争、戦争。
なるほど、この作家さんは徹することの出来る人だったのか。

さあ、だが勝負は次の巻からですぞ。期待期待期待。