トワイライト・トパァズ(3)(仮)

著:佐々原史緒 画:瑚澄遊智
エンターブレイン (2005.4.20)



今、ざっとライトノベル界隈を見渡してみて、ヒロイン(男)のためにひたむきに頑張ってる女の子でまっさきに思い浮かぶのが【カレとカノジョと召喚魔法】の雪子。そして、この【トワイライト・トパァズ】のトパァズ。この二人が双璧だろう。
好きな娘を助けるために、たとえ火の中水の中、目の前の困難に立ち向かい、苦労を厭わず、身に降りかかる理不尽に耐え、ひたむきに頑張る男の子、ってのはある意味王道的ストーリーであり、現在もなお昔と変わらず魅力的な題材である。
とはいえ、時代の変化を感じるのは塔に囚われるお姫さまが、必ずしも女の子とは限らなくなってきた、というところだろうか。
自分は塔のてっぺんで助けを待ってるようなお姫様じゃない、と叫んで己を鼓舞した少女は誰だったか。
まだこの手のヒーロー・ヒロインの逆転現象を頻繁に見かけることはないけれど、瑣末な枝葉勢力と切って捨てるには彼女たち女の子ヒーローズは魅力的すぎる。また、男よりも女の子の方が、泥臭い熱血や不細工なくらいの純粋さ、男前すぎる格好よさに嫌味がない。男だと鼻につきそうな言動が、女の子がすると妙に胸が梳く。同時に彼女たちはこれ以上なく恋する女の子をやってるわけで、その両立性がたまらない。
 いずれ、それなりの規模を得た潮流となるんじゃないだろうか、この手の構成。私は、この女の子ヒーロー、男の子ヒロインの構図がかなり好きなので、是非是非増えてほしいところだけど。

 さて、トワイライト・トパァズはついにクライマックス。明らかになる師匠ルキウスの過去。本文中には明示されてないのだけれど、実は初めての同じ年頃の友達なんじゃないだろうかという少女との出会いと彼女の真実。ついに【背徳のトパァズ】という忌み名とともに身内の魔法使いたちからすらもテロリストとして追われるはめになり、あげく己に秘められた秘密を突きつけられるという二転三転ならぬ四転五転と盛り上がりに盛り上がるストーリー。
 相も変わらずふと何気なくアダマスや琥珀の口からこぼれだす昔話が心に沁みる重たさで、常に明るくめげず前向きなトパァズのこぼした涙がしょっぱくて・
 佐々原先生は実にきっぱりと話を畳む方らしく、次回四巻でこのトワイライト・トパァズも結末を迎えるらしい。いや、きっちり話を収める、それはそれで結構なのだが、この人の書く話、世界、キャラクター。もっと長く読みたいよ。
 ファミ通の看板張れる作品だと思ってたけど、そうか、終わるのか。