スノウ王女の秘密の鳥籠
【スノウ王女の秘密の鳥籠 よかったり悪かったりする魔女】 野梨原花南/鈴木次郎 コバルト文庫

なんちゅうかなあ。あたしも、こうスッパリと愛を語れるモノ書きになりたいものだ。男ってのはいかんよ。物事斜めに見すぎだ。愛は素晴らしい。それでいいじゃない。

「ひとは幸せになりたいから恋をするんじゃないんだな」

仮にも幸せを主題とした話を書いてるだけに、ズシンと来るやら得心に頷くやらの心に響く台詞。でもさ、恋をしたなら折角だから幸せになりたいじゃない。幸せになろうよ。それはきっと、素晴らしいことなんだから。

「女々しい、という言葉は男のためにあるのです」
「然り! 女の腐ったの、も男性にしか向けられない」


結局ウジウジ悩むのは男の特権なんだろうか。

「……あのときは悪かったな」
ポムグラニットはにこにこしてしまう。
ピーターの顔をずっと見ていたい。
照れてる。
「ううん」
かわいいな。
「もういいよ」
男の子ってかわいいな。
「もういいんだよ」
ピーターの顔は相変わらず真っ赤だ。


男の子はかわいいらしい。まいった、照れるぜ。
なんちゅうか、この人の描く世界も踊る人々も、何もかもが愛しい。物凄く優しい気持ちになれる。恋する人々が温かく、愛に戸惑う人たちが愛らしい。
春の日差しの匂いのする作品だ。