ドラゴン刑事(デカ)!
【ドラゴン刑事!】 
著:東海林透輝  講談社X文庫ティーンズハート

ライトノベルのお得さ感の一つに、ジャンルの手広さがあると思うわけだ。単純に、ファンタジーやSFやというだけでなく、ね。ジャンルで買うわけじゃないから、向こうからあまり読まない、読んだことの無い種類の作品が飛び込んでくる。
ライトノベルは導入として、という話を時々聞くけど、あながち間違いじゃないのかもしれない。何事も、まず触れなければ始まらないのだから。
さて、この【ドラゴン刑事(デカ)!】は、警察小説になるんだろう。勿論、宮部みゆきバリのを期待するのはお門違いだ。与えられてるステージが違う。まあ、ライトノベルレーベルで宮部ばりのを読みたいならとみなが貴和さんの【EDGE】シリーズを読むんだね。
あや、これもホワイトハートか。うむむ、あまり手を出してないレーベルなのだが、侮れないなホワイトハート。
主人公は少女レーベルらしく女刑事。凶眼持ちなんて設定がくっついてるが、はっきり言ってあんまり関係なかったな。事件へのアプローチも推理も証拠固めも、普通の刑事らしく進めていて、重要な場面に絡むのかと思いきや、最後まで刑事的手法で押し通してしまった。清々しい。
むしろ興味深かったのが、刑事課強行犯係所属であると同時に、『シャペローン――性犯罪被害者支援専門員』という肩書きを持っているところ。まあ、その立場を前面に押し出して、というわけでもなかったのだが、刑事であるとともにシャペローンであるというスタンスはなかなか面白かったわけで。
警察機構の煩雑さや、気安い田舎警察所とはいえ女刑事という立場の面倒さにうんざりしながらも、警察官としての誇りにかけて犯罪者に立ち向かう主人公龍鈴麗の肩肘を張らない姿に好感が持てる、すっきりした話でした。