イコノクラスト (3)
【イコノクラスト! EPISODE-03 The oppression−抑圧−】
著:榊一郎  MF文庫J

うわぁ、そこまでやるかorz
既に前巻で彼らの食事に混ぜられていたものの実体は匂わされていたものの、ぶっちゃけ第二救世主さんとやらがどういう人物だったかは描かれていないので、エグすぎ、という印象に留まっていたんだけど。
実際、花梨がその材料として検討されているのを見せられると、ちょっと洒落にならん気分の悪さ。何が怖いって、この作品、それを本当にヤリ兼ねない雰囲気だから。
何をヤリ兼ねないのかは、まあ読んでください。

異世界に救世主として呼び出されてしまう主人公。おまけに、巨大ロボットの搭乗者として。
最近だともはや古典の領域になってしまったんじゃないかというシチュエーションだが、今作はそんな状況下に置かれてしまった英雄願望の強い少年の英雄譚を描く、わけがないのが【ドラゴンズ・ウィル】で勇者とドラゴンの役割の失墜を描き、【すてプリ】で正義と幸福の矛盾と対立を描いた榊一郎氏の真骨頂というべきか。
ダークである。悲惨なほどダークである。英雄譚の暗黒面を描く、どころじゃない。もう、悲惨だ。読んでて、こんな悲惨な気分になる本はまあなかなか珍しい。
あとがきで、主人公は苛めてなんぼ、みたいな事書いてらっしゃるし、あたしも好きなキャラはいじめてなんぼの物書きだから、そのへんは凄く共感できるんだが。
ここまでやるか?(苦笑
正直、主人公の省吾少年はおバカである。純粋で素直で考えが足りないことが美徳ではなく愚かしい方に出てしまっている、好感の持ちにくい少年だ。時代錯誤の英雄願望も微笑ましいというより暗愚を連想させる。そんな主人公だが、彼が突き落とされる境遇は、同情を禁じえないどころじゃない。読んでるこっちもカンベンしてくれ、と叫びたくなる。
彼はバカで愚かだったが、果たしてここまでの目に合うほど愚かな人間だったかといえば、そんなことはない。そこまでしてやらんでも(汗
壊れます、壊れますから。
というか、もう半分以上壊れてるし。