彩雲国物語―黄金の約束

【彩雲国物語 黄金の約束】 著:雪乃紗衣  角川ビーンズ文庫

 出版社/著者からの内容紹介
貧乏名門お嬢様・ふたたび王宮に潜入!?

後宮での王様教育でガッポリ稼いだはずのお金を、街の人たちのために遣いきって、貧乏に逆もどりした秀麗。新たな仕事口を探していたら、思わぬ話が舞い込んできて…?話題騒然「彩雲国物語」にいよいよ続編登場!

大人気御礼!!とうとう出ました第2巻!
彩雲国に暑い夏がやってきた。朝廷の諸官は夏バテと超過激勤務で次々とダウン。人手不足を補うため、貧乏街道爆走中の名門紅家のお嬢様・秀麗に助っ人要因のお呼びがかかる。だが外朝は女人禁制、それに春先に求愛を蹴って後宮を辞した手前、城内をウロウロして王様にばったり会ってしまうのもマズイ。仕方なく変装(!?)し、こっそり仕事を始めた秀麗だったが―。絶好調・極彩色ファンタジー、待ってましたの第2弾


 やや!? なんか凄く面白くなってきたぞ!?
 前回、男色にうつつを抜かして仕事をしないダメ王様の教育係として後宮に貴妃として入ってさあ大変、という内容だったのですが、王様は実は有能だったり、コメディ調だったのが唐突に動機が良く分からない陰謀モノになったり、意外な人がなんだそりゃってな正体だったりと、文章のリズムや語り口、キャラの掛け合いなんかは良かったんですが、褒めちぎるにはまだ色々物足りないなあ、という感想だったんですが、デビュー二作目となった本作では着実にステップアップしてきましたよ、これ。
 前回で秀麗にベタ惚れしてしまって、的外れなアプローチを子犬のように続ける天然バカ王様。その王様なんてまるで眼中無しで、女じゃなれない官吏になりたい夢を胸に秘めながら、貧乏脱出と勉学に励むお嬢様。
 いわゆるシンデレラストーリーじゃないんですよね、これ。なにしろ、前作で既に名目だけとはいえ正妃になってたのを、役目が終わった途端あっさり未練なく放棄して戻ってきた訳ですから。本人にその気がまったくない。嫁にきて欲しいんだけど、無理やりだと嫌われるから指を咥えて彼女の周りをウロウロしている陛下とそこらへんこれっぽっちも噛み合ってないし(笑)
 でも結局はこの二人がくっつくんでしょ? と思うところなんでしょうが、それがそうとも言えなくて、二作目では段々と被っていた猫の皮がズレはじめてる秀麗の家人である静蘭氏が実に微妙な立ち位置なんですよね。過去の経緯から陛下は彼から秀麗を掻っ攫うなんて出来ないだろうし。静蘭の秀麗に対する気持ちが家族に対するものか異性に対するものかが絶妙に濁されてるんで、ちょっとどうなるか予想できません。