灼眼のシャナ〈10〉
【灼眼のシャナ 勝  高橋 弥七郎

 とりあえず、この表紙は如何だろう。シャナの表紙って全部シャナなのよね。頑固なまでにシャナ一色。それはいいんだが、今回みたいな番外編だと肝心のシャナが出てないからなあ(汗
 というわけで、今回の主人公は先代の【灼眼炎髪の討ち手】。時代はさかのぼって数百年前の欧州。
 こう言ってはまずいかもしれんが、本編より面白かった(苦笑
 本編より、というのは間違いかもしれんね。あちらは登場人物たちが自分の立ち位置を探し回りながら進むべき道を迷い、人間関係に悩み、となかなか前に進めない状態で目の前に現れる困難に立ち向かうことで段々と成長していく話だからして。
 一方、この番外編は実にスッキリしている。誰も彼もが自分の為すべき事を把握し、自分の思い願いを見失わず、真っ向からの意志と意志とのガチンコ勝負。敵も味方も迷いなし。だもんだから、とにかく鬱屈を吹き飛ばすように燃える燃える。一巻丸ごと会戦合戦というのも良かったのかも知らん。最初は殆どが初登場のキャラばかりで、いきなり戦場シーンから入ってキャラが把握できるだろうか、と不安だったんだが、これがどうしてどうして。敵味方の区別無く、どいつもこいつもビシッと魂の真ん中に芯が通った連中ばかりで、いやー最高。
 高橋氏の切々とした内面描写も好きなんだけど、このシャナシリーズにおけるキャラデザインってこういう斬った張ったの大活劇の方が似合ってるのかも知らん。見得の切り方とか、文章の軽快なリズムを鑑みて、そんな風に思ったわけで。