おおきく振りかぶって (1)
【おおきく振りかぶって】 ひぐちアサ

く、クラクラした。いや、作中のモモカンのようにゾクゾクしたというべきか。
いや、これは確かに。うん、評判になるはずだ。
正直ぶっ飛んだ。よくぞまあ、漫画という媒体でこれほど濃密な情報量を詰め込めるものだ。しかも、あきれるほどわかりやすい!! すんなりとアタマに滑り込んでくる。情報の取捨選択、表現方法、編集能力が尋常ではないのだ。漫画だぞ、漫画。絵と吹き出しで全部表現しないといけないのに。小説じゃないんだぞ!?
一方の人物描写もまた秀逸。というか、人と人が互いを理解していくまでの描かれ方がアタマから湯気が出そうなほど素敵。そう、これは自分以外の他人を理解する若者たちの物語でもあるわけだ。シナプスが繋がっていくみたいに、チームメイトと気持ちが繋がり、さらにそれは外に広がりつつ太さを増していく。
うわあ、友情で青春だよー。悶えそうな気恥ずかしさが、ただ心地よく気持ちいい。やー、この読んで湧き出てくる気分、百枝監督にシンクロしまくり。

なるほど、野球の部分は一色銀河【若草野球部狂想曲】に良く似ている。
ピッチャーは早い球の投げられない、だが尋常ならざる制球力の持ち主。ただ投手にあるまじき自己主張が無いどころかマイナスいっちゃってる臆病者。そしてそれを引っ張るやり手の頭脳派キャッチャー。
そんでもって、徹底的にロジカルな野球理論で進める試合展開。
【オレはキャプテン】もそうだったけど、こういう理屈っぽい野球モノはやはり面白い。逆にいうとそもそも野球と言う競技そのものが、それだけ理屈っぽいものなんだろうな。

なんにしても、噂に違わず凄まじく面白かったです。