銀盤カレイドスコープ〈vol.7〉
【銀盤カレイドスコープ Vol.7 リリカル・プログラム:Be in love with your miracle 】 海原零

今まで散々可能性に言及してきましたが……
こりゃあ、ピートの復活はありそうにないなあ。
というわけで、最終滑走その一つ前。バンクーバー五輪前夜、バーサス・リア・ガーネット決意編。

あのトリノ五輪から四年。四年ですぜ。桜野タズサがカナダ人の幽霊ピートと滑った五輪の舞台から、それだけの時間が流れてしまったわけです。再び巡ってきたオリンピックを前にして、なんかすごく感慨が湧いてきました。いや、オリンピックを目前に控えたタズサを見て、か。
この娘、もう完全に自立してしまったんですねえ。たった独りで至高の存在であるリア・ガーネットに立ち向かえるような選手になってしまったわけだ。もう、そこには余人の入る余地はない。たとえ、あのかけがえのない相棒であるピートでさえも、今のたずさには邪魔者にしかならないのでしょう。あくまで、リアを倒すのは真っ向から一対一でなければならない。ガブリーの無念も背負った以上、それは当然至極のことなわけだ。

銀盤カレイドスコープの集大成となる最終巻は、どうやら文字通りフィギュア尽くしとなりそうな予感。あくまでフィギュアスケート小説としての在り様を最期まで貫き通す気合と迫力が伝わってくる。
どうやらそこには、恋愛模様が介在する余地はなさそう。ここでピートとの感動の再会でハッピーエンドという私が常々妄想してきたラストは、今回の覇気溢れんばかりのスポ根展開を読む限り、こりゃあ似合わんな、と諦めた。
すっぱり諦めさせられた。
それくらい、本作は大傑作で大満足な昨今類を見ない正統派スポ根小説なのだった。

最後のタズサの宣言に、否応無くテンションが最頂点に駆けあがった。圧巻だった6巻のフィギュアシーンを上回るであろう、とてつもないスケールのフィギュア描写のオンパレードに、今から興奮気味である。
頼むから、早く出してくれ。