機動戦士ガンダム MSイグルー 黙示録0079
【機動戦士ガンダムMSイグルー 黙示録0079】 林譲治

 まさか、これで泣かされるとは思わなかった。
 最終話のア・バオア・クー会戦のあまりの熱さに、知らず知らず目頭に涙が……。

宇宙世紀0079.後に1年戦争と呼ばれることとなるジオン公国独立戦争は、いよいよ混迷を極めていた。ジオン軍第603技術試験隊による新兵器評価試験は、すでに過酷な実践そのものとなり、支給される新兵器も、戦況の悪化とともに、既存の兵器を再利用した急造品となってゆく―ついに舞台は最終決戦の地ア・バオア・クーへ。華やかな戦場の片隅で果敢に戦い続けた兵士たちの記録、感動の完結。

 これで扱われる新兵器は、ガンダムなどの超強力兵器などではなく、大戦末期に登場するような実戦に耐えうるようなものではありません。
 ただ、それをただ単にガラクタとして切り捨てていいのか。
 最終話、それまで送られてきた新兵器とそれに乗り組むテストパイロットの戦いを評価する立場から見守り続けたマイ技術中尉は、最後に自分がパイロットとして乗り組むことで、戦場に立つことで、彼が見送り続けた歪な兵器に乗り組みそして散っていったテストパイロットたちの心境と、技術士官として為すべきことに辿り着く、これまでの物語が結実するような最終話は、まさに感動的でした。
 最後に送られてきた兵器は、連合軍でいうところの『ボール』と同じ類いの動く棺おけ。そして乗り組むのは戦場を知らない新兵たち。
 末期戦における一つの典型的な戦いの模様。相手を倒すのではなく、味方を一人でも生き残らせるための戦い。平和な時代に一人でも若い命を繋ぐための戦い。もう死ななくてもいいはずの命を、一つでも残そうという戦い。
 本来ならば、正式な戦闘部隊ではないはずの試験支援艦ヨーツンヘイムとその乗員たちによる最後の戦い。
 もう、涙無しには読めません。あらすじに一片の偽りなしの、感動の結末でした。
 前作【機動戦士ガンダムMSイグルー 一年戦争秘録】も合わせて、一度は読んどけ捲っとけぃ!

 これ、CGアニメのノベライズらしいけど、この最終話は映像になってるのならマジで見たいなこりゃあ。