神曲奏界ポリフォニカ トライアングル・ブラック GA文庫
【神曲奏界ポリフォニカ トライアングル・ブラック】 大迫純一/BUNBUN GA文庫
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いや、これ本気でポリ金あるんじゃないんですか?
最後の文章を見る限り、神曲奏界ポリフォニカのゴールド・シリーズは真剣に考えられているように思える。もっとも、主人公はレオンじゃなくて相方の方かもしれないけれど。しかし、レオンの濃いキャラを思うと、彼を物語の主格において動かすのはよほど実力のある作家でないと難しいぞ。
ライトノベル界隈じゃ、ちょっとお目にかかれないキャラクターだし、ましてやそれを主人公格に据えるとなると……難儀だぞう。

というわけで、新キャラ 上級精霊レオンガーラ・ジェス・ボルウォーダン、登場である。まったく、なんちゅうキャラだ(笑
ちょっと尋常じゃないくらい【男】臭い人物。なんかこう、体臭が漂ってきそうな濃ゆさ。それとも、コロンの臭いか? フェロモンの塊みたいなヤツである。
ただこういう泰然自若、豪放磊落な人物像とは裏腹に、非常に繊細で一途な魂の持ち主。
数百年の人生で若くて美しい女性の楽士を数年サイクルでとっかえひっかえ契約してまわってるプレイボーイという遍歴があろうとも(通常精霊は契約した楽士が死ぬまで契約を解かない。破棄する途中で破棄する例は少極めて少ない)、敢えて繊細で一途な心の持ち主と言い切ろう。女性を魅了してやまない強靭さと、その奥に秘めたか弱さ、という点もまさに【男】を凝縮したような輩である。
なるほど、つまり彼の真のパートナーとなるべき女性とは、男の強さには目もくれず、むしろその脆く儚い部分を受け止め包み込んでくれる人というわけか。
後に彼のパートナーとなるべき女性は、この巻の最後に明かされる。その人物は今のところどのポリフォニカシリーズにも登場していないようだが、名前だけは度々このブラックで見かけている。
このブラックシリーズにおいても、何気に重要人物らしい。どのような人物像なのか、登場してないのだからまだ分からないのだが、マティアのコメントや行間から幾許かの想像は馳せられる。まー、私が大好みしそうなキャラだと思うんだが。
ともあれ、彼女の登場は楽しみにしておこう。このブラックでもいずれお目にかかれるだろうし、もしかしたらポリ金という新シリーズもあるかもしれないのだから。

ところで。『彼女』のこともそうなのだが、そろそろマティアやマナガの過去も情報開示を始めて欲しいところである。
徐々に、徐々に垣間見えてきているのだけれど、そろそろ焦れったくなってきたなあ(笑
今回はマティアがレオンに粉かけられて、マナガが慌てるわ怒るわ妬くわで大騒ぎ。大きい図体をして可愛い男であるw
マティアに「妬いてるの?」と問われて動揺しまくるところなぞ、お前さん何年生きてるんだか。台詞、噛むし(w

それでも、ようやく長い長い往訪の末に巡りあえた契約者、何よりも大事な相手であるマティアの身に危機が迫ったその時にも、最後まで刑事としての立場を捨てなかったマナガの矜持には喝采を送りたい。
過去に何らかの罪を負っているというマナガ。彼が刑事という立場に身を置いていることには、思いの他重い何かがあるのかもしれない。それ以上に、マティアとの関係においてもマナガが刑事であることに何らかの重大な意味があるように思う。単なる生きる糧を得るための職業ではなく、生きることそのものへの意味が込められているような。
二人の関係は甘い糖蜜のようなものとは程遠い、痛みを分かち合うような切ない、だが決して誰にも断ち切れない絆が在る。
今回は、そんな二人の関係がなんとなく伝わってくるような話でもありました。
まあ、すこぶる面白かった、ということです、はい。
クリムゾンシリーズアニメ化だそうだけど、このブラックも見てみたいものですねえ、はい。