機工魔術士-enchanter 14 (14) (ガンガンWINGコミックス)

【機工魔術士-enchanter 14】 河内和泉 ガンガンWINGコミックス


いつからでしょうか。キャラの男女を問わず、身震いするほどの色気が表情に浮き出るようになったなあ、この作者。ちょいと作画の仕方変えたんだろうか。
今、八岐がもっともオススメする漫画の一つ、【機工魔術士】の最新刊。物語が決定的な岐路を迎えた前巻からの流れで、徐々に物語も人間関係も激流へと飲み込まれ、否応無く加速していく。
相変わらず感情の機微や、思惑、性格、関わり方、情報の有無で様々な形に揺らぐ人間関係の微妙なバランスを、原材料そのままに出すのではなく、見事に調理し、料理として仕上げるその手腕はますます磨き上げられているように見える。
なんか、ここまでやられてしまうと、逆にアニメ化とか難しいかもなあ。意外と派手な展開なくて地味だし、この作品を面白くしている要素である一番大事な部分って、これ解釈しきるのかなり難しそうだしなあ。インプットは出来ても、それをアウトプットするための自分なりの論理へ再構築するの、メチャメチャ難しそうだし。どう考えてもバランス際どすぎて、まったく別の代物になりはてるしかなさそうだ。わりと処理しやすそうな作品でも、平気でズタズタにするケースが珍しくない中、機工魔術士という作品を機工魔術士という作品のままアニメ化するのは不可能に近いように思う。小説ならもしや、とも思わないでもないけど。いや、これは絵と吹き出し、コマ割りという情報量でこそのバランスであるからこそ、の味わいなわけで。小説は小説でまた至難だわ。そういえば、ノベライズはもうされてたんだっけか?

今回はもうカリオストロさま一色。あのゾクゾクする危ない目つき。好奇心に狂った、これこそ本物のマッドサイエンティスト。自分の興味と好奇心を満たすためだけに、その他の倫理も人間性もなにもかも一顧だにしない、狂気に委ねられた知性。
やっぱり、ヤンデレでもなんでも、どっかネジがとんじゃった人ってのは、眼なわけですよ。眼がイッちゃってる。そして、そこに魅入られるわけです。眼に惹かれ、眼に魅了され、眼に呑まれる。眼に、魂を揺さぶられる。
その点、この巻のカリオストロの眼の逝きようの凄さと言ったら。もう、一発で惚れそう。
さりげなく、パラケルススの方も最近眼がいい感じにヤバくなってるんですよね。晴彦の最大の味方で師匠のような人であった彼が、実のところ裏でナニカを画策しているんではないか、というかなり信用できない人物であるんじゃないかという可能性は、近巻になって示唆されてきたところではありますが、
あの眼みりゃ、分かるって。怖すぎるって、その眼は、ホネ先生!!

前巻のラストがこの作品の岐路だとすれば、この巻のラストはまさにその変転が表面化する終わりの始まり。

……って、ここで切るのかーー!!