アマデウスの詩、謳え敗者の王 (富士見ファンタジア文庫 174-3 黄昏色の詠使い 3)

【黄昏色の詠使い 3.アマデウスの詩、謳え敗者の王】 細音啓/竹岡美穂 富士見ファンタジア文庫


どうもやはり私は一生懸命頑張るショタ男の子と、そんな男の子を守るために一生懸命頑張るお姉さんな女の子、というカップリングが好きすぎるみたいです。
特に、男の子の方は姉役の少女のことを慕い、懐いているのだけど、根底のところで少女には背を向けて、違うものを必死になって追いかけてる。少女の方はちゃんとそれを分かりながら、男の子を振り返らせるんじゃなくてその背中を押してあげようとしている関係、とか。むしろ、少女の方は自分が彼の背中を押してあげるには力不足なんじゃないかと思い悩み、男の子と同じような必死さで、一生懸命さで自分の力を究めようとしているところ、とか。
何となく、ネイトとクルーエルの関係って、【ネギま!】のネギと明日菜の関係にちょっと似てるな、とも思ったり。違う? なんとなくですよ、なんとなく。

名詠式や世界観に関する設定も、段々といい感じで肉付けが出来てきた感もあり、イイ意味でバックグラウンドのはったりが効いてきた気がします。踊るための舞台はしっかりと土台が出来ているに越したことはないですからね。

2巻では周辺の人物の掘り下げで来たので、もうしばらく脇を固めていくのかと想像していたのだけど、今回は物語自体を動かしてきたか。クルルとネイトの内面についての掘り下げは、まだ本番前の助走段階でしょう、あれは。
ラストのクルルのネイトへの不意打ち紛いの甘え方は、お姉さんキャラの遣り口としては近年稀に見る凶悪かつ会心の一撃(笑

さて、今回作品自体に奥行きを与えるバックグラウンドの作り込みも成功した感ありで、見事にレーベルを代表する大作への衛星軌道に向けての打ち上げは完了したようにも思えるけど、次が本当の勝負どころですな。
物凄い期待中。