クインテット!2 [GA文庫] (GA文庫 え 2-3)

【クインテット! 2】 越後屋鉄舟/せんむ



いただきマッスル!!


ご飯どき、家族みんなが揃って元気よくこれを唱和してるというこの一点だけでも、この作品が凡百のハーレムものとは一線を画してることは明々白々ではないでしょうか。
てか、普通のハーレムものではこんな恥ずかしい台詞は場違いすぎて出せませんから!
まあ、このアホ極まりない挨拶をなんの衒いもなく主人公とヒロイン五人衆ならびに親父殿に義母さまが元気一杯に唱えてるという、そのとっぴんしゃんな空気は伝わらない?

どうにも【とらドラ】の方のテンションにはついていけない私なのですが、こっちのずっとメーター振り切れ状態ハイテンションマックスウェルには波長が合うのか、読んでる間中ゲラゲラ笑いっぱなし。
登場人物全員、アルコール入ってませんか? と疑いたくなるくらい最初から最後までテンション最高潮で、とにかく何もかもが楽しそうで、いやいやこんだけすっ飛ばしてるの読まされたら、日々の鬱々とした鬱積も否応なく吹き飛ばされますがな。
しかし、一巻でもそうだったけど、五人の少女と同居状態という言い訳の仕様がないハーレム環境にありながら、これほどハーレム臭がしない作品も珍しい。異性同士の同居ではなく、完璧に家族として機能しちゃってるんでしょうね。
ヒロインたちに何か問題が起こっても、当然のように主人公の敬介は敢然と手を差し伸べるんですけど、その姿勢は困ってる女の子に対しての男のそれじゃなくて、弱きを助け強気を挫く、オレの妹分になにしやがるてやんでい、なまるっきりガキ大将の頼りになる鉄火肌の兄ちゃんで、みんなの兄貴分というもので。
一方のヒロインたちも、好きな男に云々というよりもウチの兄ちゃん、みたいな感じで。思いっきり仲もいいし、女の子たちに関しては決して異性としての感情を隠してないんですけど、それよりも『家族』って印象がすべてを塗りつぶしてしまうほど強烈なんですよね。

椿一家、参上! みたいな(笑

意外とがっちり家族構成も自然に出来上がっちゃってるみたいだし。
敬介は一番上のアニキ。幼馴染のひだりがみんなのお母さん役。ぼんやりアイドルのつばめが一番上のお姉さん。次女が義妹の小唄。末っこが許嫁の操っち。ココだけはポディション謎だな(笑
いや、ココに関してはキャラ自体が混沌としてるしなあ。セレブお嬢様にしてメイドにして家来という登場時点のキャラ立ての段階で既に複雑怪奇の様相を呈しているのに、さらにヤンデレに腹黒キャラと盛りだくさんで、もはやなにがなにやら。

お前、着実にメイドとは関係ない方面にキャラ掘り下げてるよな。


と、作中で敬介殿も申し述べていらっしゃいますし(苦笑


しかし、家族のみならず、クラスメイトの主水と十兵衛も何か存在感ありすぎというか、ここで登場だ! という場面で期待に違わずちゃんと登場してくれるそのエンカウント率の高さは、放送開始から43分ほど経過した頃の水戸黄門の印籠並みじゃないか(笑
お約束にもほどがあるけど、もはや作者もネタにしてしまってるので、私的には面白いからもっとやれ!!

ただバカばっかりやっているだけじゃなく、ひだりとの幼馴染としての距離の近さへの甘えとか、ヘタレ馬鹿親父と息子との不器用な愛情とか、ふとほんのり胸が温かくなるような話も隙無く挟まれてて、見事にハートフルホームコメディになってるんですよね。
なんか、最後にはハートフルホームコメディ戦隊モノへと進化してましたけど……(汗
いやいや、確かに親父殿のふざけまくった説明はナチュラルにスルーしてたけど、一切合財誇張無く本当だったのかorz
まあ、でも最後までこのノリで行ってくれそうなので、まったく心配はしてませんけど。ああ、でも次の巻で終わり、というのはやっぱり惜しいですわ。こんなに楽しいのに。

最後に一言。最初、まったく似てない親子だと思った敬介と楽太郎だけど、ヘタレた時の敬介は確かに楽太郎に死ぬほどそっくりだわ(笑