虎は躍り、龍は微笑む 黄金の満月 (ファミ通文庫 う 1-5-2)

【虎は躍り、龍は微笑む 黄金の満月】 嬉野秋彦/オカアサハ ファミ通文庫


前作の武術院同士の対抗戦を中軸にした学園モノのストーリーから一転。今回は盗まれた珠を取り返してくれないか、と頼まれ、都を跳梁跋扈する盗賊団と渡り合う羽目になったコハクとリュード。

という線で大筋の物語は進むんだけど、あれあれあれ? てな感じでいくつかの伏線が明らかにされて。
おいおいおおいっ!? これってもしかして宮廷陰謀劇に発展していくんじゃないの?
武術院の子供たちを中心とする活劇とはまた別に、北方騎馬民族と帝国との微妙な力関係や、それにまつわる国家間の内情や政争、盗賊団の裏の顔といったものが読み手の側に示されると同時に、クライマックスでの驚愕のコハクの出自の秘密の暴露。それと同時に、文中にそれとなくにおわされるリュードの出生の秘密。

うわっ、政治とは何の関係もないはずのガキ二人組と、もろにガツンとカチあった!?

何気に没落したというツィフォン先輩の実家と、宰相家とも因縁がありそうで、ツィフォン先輩も物語の中枢にガチンと食い込んできそうだし。
辛いのはカーシャの方だけど、今回わりとコハクとの関係は彼の精神年齢の低さからうまくいったとは言わないものの、リュードのフォローもあって前進はしてるようだし、持前の聡さと勝気さで話がどんな方向に行っても絡んできてくれそうではあるので、あまり心配はしてないけど。
それよりも、リュード。今回は意味深に興味がある女性がいないでもないみたいなこと言ってたけど、第一巻では母親のことにしか思えなかったのとは違って、今回は本当に気になってる女性がいるようで異様に気になる。嬉野さんが書くこうしたクール系の青年って本当に内面が見えないところが多いので、いまいち自分の直感が信じられないんですよね。
でも、絶対ツィフォン先輩が気になってると思うんだけど。

うん、でもやっぱり嬉野秋彦氏の中華モノは好きだわーー。なんかこう、波長が合うというかなんというか。無性に好き。