荒野に獣慟哭す 6 (6) (マガジンZコミックス)

【荒野に獣慟哭す 6】 原作:夢枕獏 漫画:伊藤勢  マガジンZ


最初に言っておく。
こいつは滅茶苦茶面白い!!!

もともと暴れ馬に乗っかったような躍動感とドライブの効いたジェットコースターアクションの得意だった伊藤勢だけど、分量にしてこの巻の半分ほどを占めるであろう薬師寺法山との激闘は、一つの極みに至った感すらある。
作中時間にしていったいどれほどだろう。十分? 十五分? およそ70ページ前後という描写空間に切り抜かれた瞬間瞬間を押し込め敷き詰めた、圧倒的なまでに凝縮された濃厚な密度のアクシュン。
これほど凄まじいテンポで活劇が繰り広げられては、思わず息が詰まってしまいそうなところだけど、絶妙な間でまさしく伊藤勢特有のギャグがポコンと死角から急所に叩き込まれるもんだから、いい意味で緊張が解け肩の力が抜けていく。
この上げては落とされる間隔がとんでもないスピードで繰り返されるもんだから、読んでるこっちはもうイイ気分で酔っぱらってるみたいに感覚になってくるんだな。
描き方次第ではただただ陰惨な殺し合いになりかねないところを、このとぼけた独特のテンポがこの作品を読後感をひたすら痛快なものにしてるみたいだ。
うん、よく考えてみるとカッコ良いアクションととぼけたギャグの融合って、これぞB級アクション、って感じですよねえ。

原作ではまったくの端役で早々に退場しているという摩虎羅姉ちゃんなんだけど、こっちでは主人公の相棒みたいな立場に収まって大活躍。この姉ちゃん、めっちゃイイ人で気配り上手で愛嬌があってここぞというとき頼りになって、いろいろ面白いとしかいいようのない人のたくさん出てくるこの漫画なんですけど、その中でも一番好きだなあ。たぶん、人気もあるんでしょう。
猫だのと違って、猿型というのは女性型獣人ではとても印象良くなさそうなんだけど、この摩虎羅ときたら確かに猿顔にも関わらずワイルド系と可愛らしい系が上手くマッチした上にメリハリのついた体つきでやたらと色っぽいというビジュアル的にも独特だけど印象的な美人にデザインされてて、これがいいんですわ。

や、とにかくこれはオススメ。あまり巷じゃ評判きかないマンガだけど、これは文句なく面白いっす。