舞-HiME★DESTINY ~龍の巫女~ プリズン・キャスト (HJ文庫 い 1-1-1)

【舞-HiME★DESTINY ~龍の巫女~ プリズン・キャスト】 伊吹秀明/目黒三吉 HJ文庫


テレビ本放送が終わったものの、なおもOVAなどで展開を続けている『舞-乙HiME』。だがしかし。私が好きなのはその前、前。『舞-HiME』シリーズの方なのです。一番好きなのはゲーム版なんですけどね。久我なつきなんですけどね。
そんな私ですので、既に完全に終了しました、みたいな雰囲気の舞-HiMEに、舞-乙HiMEがなおも世界を広げているということもあり、寂しい思いを抱いておりました。
そんな折、HJ文庫の発売予定にこの本を発見したのであります。
いや、最初はよく確認もせず舞-乙HiMEの小説か、と適当にスルーしてたんですけどw
でもよくよく見ると、乙がない。乙がないんです。
しかもディスティニー。続編か? 本編の続編か番外編なのか?
舞-HiMEの小説といえば、徳間からなんか出てた気がしますが、もー覚えてないのでそれはそれで置いておくとして。
こっちの舞-HiMEの著者はといえば、久々にその名前を見ましたよ伊吹秀明氏。あの『氷山空母を撃沈せよ』の……と言ってもあれか、わからんか。『出撃! 猫耳戦車隊』や『星方遊撃隊エンジェルリンクス』の著者さんです。この人の本を見るのも本当に久しぶりだ。『天空魔弾』以来? ライトノベルだと五年以上前になるんじゃないだろうか。本出したの。
猫耳戦車隊とかエンジェルリンクスのファンだった身としては、新作は嬉しい限り。しかもそれが舞-HiMEの小説ともなればなおさらのこと。
勇んで手に取ってみました。
ふむふむ。どうやら主人公はまったくの新キャラ? 舞台はやっぱり風華学園みたいで……あれ? おや? はえ?

……おおおおええええ!?

し、しずるさんが。しずるさんが……日本刀で防弾仕様車を真っ二つにーーーっ!?
待て待て待て待て。確かにしずるさんは生徒会長で得体のしれないところがあって大人顔負けの政治力や人脈を駆使してはりましたけど、
暴力団の組ひとつ、だんぴら一本で壊滅させるようなことをしはるような人じゃなかったですよ!?

え? あれ? 学園の所在地、北海道? 風華学園って瀬戸内じゃなかったでしたっけ? でっかい橋がかかった島にある学園で。
え? Miko? HiMEじゃなくて?
しかも、学園の生徒全員!? 
ま、まさか、ちょ、超能力学園Zですかーー!?(あらゆる意味で違う)

 
舞-HiMEじゃねえーーーっ!!

やられた。あらすじも何も見んと読み始めたから、本気で途中まで気付かなかった(笑
これ、舞-乙HiMEとはまた違う、舞-HiMEの別世界ものですわ。
でも、鴇羽姉弟が出ていない以外は、ほぼキャラクター配置は舞-HiMEと同等。あと、登場してないのは命、アリッサ、深優、楯あたりか。
我らが久我なつきは、なつきらしくクールを気取って色々と失敗してる舞-HiMEの頃のなつきだ。いや、こっちのなつきは舞-HiMEの時ほど過去に背負ってるものはないようなので、わりと気楽な立場なのかあれよりも深刻さはなく我儘度や傍若無人度、愛嬌はアップしてるかも。マヨラーって(笑
意外だったのは、なつきがしずると敵対してるあたりですか。いや、しずるは相変わらずなつき好き好きなんですが。

一部の人が、えらい黒化しちゃってて、本当ならそういう場面じゃないんですけど、ラストに正体が明らかになったとき、思わず吹いた(笑
いや、ほんとに吹くところじゃないんですけど。たぶん、この娘の本性ってこうなんだ、きっと。舞-HiMEでも舞-乙HiMEでも、こっちのこの娘みたいな展開を迎えたら、こんな風に黒化するんだ。
…怖いよ!!

章ごとに差し込まれてる四コマ漫画が秀逸。この小説での各キャラが上手くディフォルメ化がなされてて笑ったw

舞-HiMEの続編どころか、まったく別の新シリーズという予想外の奇襲を食らったわけですが、そんなのを忘れさせてくれるぐらい面白かったです。まだ、導入編という感じで主人公の真夜の秘密、学園側の目論見も明らかではなく、それに対するしずるやなつきたち生徒の動向も予想がつかないのですが、舞台の幕が開けたって感じで盛り上がってきた、というところなので、次の巻がなかなか楽しみ。
締め方もかつての幼馴染同士の死闘を予感させ、親しい者同士が命をかけて相打つという舞-HiMEの根幹設定をこのシリーズもきっちり踏襲しているようなので、その点でも安心設計。できれば、互いの大事なもの、というのがもっと見えてくればより舞-HiMEらしくていいんですけど。

個人的に嬉しかった点。
武田くんがちゃんと登場してくれてたところ(笑
武田くんがちゃんとなつきにちょっかいかけて返り討ちにあってたところ(笑
がんばれ、武田。