付喪堂骨董店 3―“不思議”取り扱います (3) (電撃文庫 お 9-6)

【付喪堂骨董店 “不思議”取り扱います 3】 御堂彰彦/タケシマサトシ 電撃文庫



衛生兵! 衛生兵を呼べぇ!!(必死

ゴロゴロゴロゴロ(猫を抱いた榊さんのごとく悶絶中)

素晴らしい! なにはともあれ素晴らしい! どうしよう、脳内に花畑が咲き誇ってるみたいに素晴らしいという言葉しか浮かんでこない。
つまるところ素晴らしい!!

どうして毎回毎回、こんな顔面の筋肉を疲労断裂させかねないようなニヤニヤさせてくれる甘くてスイートなお話を締めに持ってきてくれるんだろうか、この物語は。
おかげで、けっこう他の短編が暗くて救われない話が多いにも関わらず、毎回最後の話で全部吹き飛んでしまう。
もはや、咲と刻也のラブラブっぷりときたら、電撃文庫ではホロとロレンスに対抗できうるレベルに達してるんじゃないだろうか。
とはいえ、そのラブラブっぷりの方向性は真逆なんですけど。狼と香辛料が、お互いの言動に対する思わせぶりな反応や思わぬ不意打ち紛いの素直な心情の吐露という男女の駆け引きにニヤニヤさせられるのと違って、こっちの付喪堂骨董店の方はというと、主に咲なんだけど、自分の内面の恋心に足を突っ込んで抜けなくなってじたばたともがいて悶えて自爆して(笑
そんな自分の尻尾を追いかけまわしてクルクル回るわんこ同士がごっつんことぶつかって目をパチクリさせてるみたいな二人の初々しい恋心の行きつ戻りつが、もう可愛くて可愛くて。
うああああ、素晴らしい!!
ここで特に素晴らしいのが、どれだけすれ違ってても最終的にはお互いの気持ちが相手に届くところ。他のラブコメなんかだと、お預けくらったり誤魔化されたりなかったことにされたりするんだけど、こっちのは最後には誤解も解けて、相手がどんな風に咲のことを、刻也のことを思っていたのかちゃんとお互いに伝わってくれるんですよね。
読んでるこっちとしたら、散々悶々と悶えせられた上で、この上なくすっきりさせてくれるもんだから、とても読後が爽快で気持ちいい。
なんて素晴らしいラブ。ラブ。ラブ。
いやもう、これ最高。本当に最高。ひゃっほう♪

とはいえ、この物語、秀逸なのは二人のラブコメだけじゃないです。他の短編の出来も巻を重ねるごとに深みのある作品になってきてる。
特に、第三章の<夢>
これの結末は、正直言って衝撃だった。なんて言っていいかちょっとわからないんだけど、ショックだった。理屈じゃなく、最後、付喪堂骨董店に戻った刻也の胸を締め付けられるような気持ちに、打たれました。
これは、本当に、どうしようもないですよ。どうしようもない。
誰かを大切に思う気持ちを、これほど痛切に突き付けられては。ぐちゃぐちゃに渦巻く安堵と罪悪感。一言では言い表せない複雑なこのときの刻也の感情を、多言を使わず咲を抱きしめるというその行為だけでこんなにも生々しく切実に描いた腕前は見事と言うほかなく。
良い話でした。

この話で刻也がどれほど咲のことを大切に思っているかがわかるからこそ、最後のラブラブ話が栄えるんですよねえ。
もう、思い出しただけでニヤニヤがとまらん(笑
最高です、オススメ。ものすごい勢いでオススメ。