暴風ガールズファイト (ファミ通文庫 さ 3-5-1)

【暴風ガールズファイト】 佐々原史緒/倉藤倖  ファミ通文庫



黒い、黒いよ麻生さん!!(爆笑

冒頭の頃はちょっとおしとやかで控えめなクール系優等生クラス委員長キャラだったのに。だったのに。
本性が、本性が剥き出しに、剥き出しに。ひぃいいい。
最初はあまりに個性的でぶっ飛んだ周りの連中に振り回される主人公さまかと思ってたら、というか本人もそのつもりだったくせに、最終的にあんたが一番危険人物じゃねえか。ラクロス部の良心、数少ない常識人の振りしておいてからに、あんた最凶最悪じゃないですか(笑
いったん、プッチン切れてからの麻生ちゃんの黒化振りは凄まじいったらありゃしない。ナチュラルにブラックな思考垂れ流しすぎてますから。気軽に同級生を社会的に抹殺しちゃおうとか思ったらダメですから。
かぶってた猫を取り払ったら、出てきたのは虎だとか竜とかのレベルじゃねえ、秘密警察の長官か、あんたは!!(笑

やっぱり、佐々原さんは女の子の主人公を書かせたらとびっきりだ。素晴らしい。文句なしに面白かった。
やっぱりこの人の作品、大好きだーーー!!

とにかく、登場人物みんなキャラの立ち方が尋常じゃなさすぎ。それでいて、これぞ佐々原史緒作品と思わされるのは、これだけぶっ飛んだキャラたちが縦横無尽に駆け巡るコメディテイストの話なのに、その根幹はすがすがしいほどまっすぐで気持ちの良い青春物語という軸がまったくブレないこと。等身大の少女のささやかな悩みを、大仰になりすぎず深刻になりすぎず、それでいてないがしろにせず大切に物語の中に組み込んで消化している。読んで胸の奥からスカッとして、それでいてほんわかとした温もりが胸の奥に残る。佐々原さんの作品は、本当に読んだあとに幸せな気持ちになって、気持ちがいい。
素晴らしいのは、ラクロスというマイナー競技の楽しさが読んでてひしひし伝わってくること。自称嵐を呼ぶ女、五十嵐千果のラクロスにかける熱い想い。麻生ちゃんや、他のラクロス部のメンバーたちが彼女から受け取っただろうこの想いが、読んでるこっちまでダイレクトに伝わってくる。単なる精神論じゃなくて、技術や競技の特性なんかも丁寧に描写されてて、キャラたちがどこに興味を覚え、どんな瞬間に気持ちを高ぶらせ、どんなプレイをしたときにどういう感動を覚えたのか。それが、スルリと理解を伴って頭の中に滑り込んでくる。
なんかなにやってるのかよくわかんないけど、気持ちだけは伝わってくる、というのとは少し違う、具体的な感覚。シュートを打った時のスパッと重さが抜ける腕の感覚、パスをキャッチしたときの衝撃。グラウンドを駆け回り、息をつきながら敵味方の動きを必死に追いかける目線の動き。
その場にいるような息使いが伝わってくるような文章、これスポーツものとしてはとびっきりの上物なんじゃないだろうか。

満足、満足、大満足。すっごーーく、面白かったです。最高。

ちなみに、キャラの人気はやっぱり雪乃お嬢が一番かもしれないけど、私はぶっちぎりで麻生ちゃんですね。
あの暴れ馬のような腹黒さがタマラナイ(w