流血女神伝喪の女王 8 (8) (コバルト文庫 す 5-63)

【流血女神伝 喪の女王 8】 須賀しのぶ/船戸明里 コバルト文庫


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「完」の文字を目の当たりにして、図らずも涙があふれてきました。
今まで、感動やら悲しみで泣いたことは何度もあったけど、感無量という感慨で涙が込み上げてきたのは初めてだったなあ。

第一巻がこの世にい出て約8年。全27巻。カリエという少女の波乱万丈の人生を中心に描かれた人と神の物語は、これにて完結を見ました。
本当に、本当に感慨深い。
感無量という言葉以外思い浮かばない。

……はあ。

なんか、しばらくため息しかでてきませんわ。
『おまえの人生は波瀾万丈すぎて面倒だ』ってね(笑)
感想書こうにも、こう胸が一杯で何を書いたらいいのかわからないくらいの満足感。
時代の激流の中、みんなみんな精一杯必死に生きたその生き様に、ちょっと酩酊しています。
なんか、何書いてもネタバレになってしまいそうで、というよりも書くことで手のひらからこぼれて行ってしまいそうで、全然感想になってないんだけど、このままギュッと胸に抱きしめてしまいたいと思います。


ドミトリアス、グラーシカ、バルアン、レイザン、イーダル、ミュカレウス、ロイ、ギアス、トルハーン、ソード、オレンディア、サラ、サルベーン、グラーシカ、ネフィシカ、リネ、アルガ、フィンル、タウラ。
そして、エディアルドにカリエ。

最終巻だけでも、主要人物だけでもこれだけ、これまで続いてきた27巻を振り返れば、いったいどれほどの人々がこの作品の中を駆け抜け、死んでいき、生き抜いていったのか。
神々は地より去り、これよりはただ人だけが世界を紡ぐ時代が訪れる。

さようなら、女神。
さようなら、残酷で心優しい母よ。


最後まで、カリエはカリエでしたね。それが、無性に嬉しかった。エディアルドとの結末は驚きと同時に、すんなりと胸に収まりました。
洗濯物は取り込んだらたためって、あんたたちったら、ねえ(笑


ああもう、素晴らしかった。素晴らしくて、素敵で、悲しくて、楽しくて、辛くて、苦しくて、爽快で、気が遠くなるような、人間の抱くあらゆる感情を凝縮して一気飲みするような凄い、凄い作品でした。
一人の少女の物語であり、母親の物語であり、神々の物語であり、大河ファンタジーであり、歴史小説であり、群像劇であり、
私のかけがえのないバイブルの一つでありました。
墓の下まで持っていきたいと思っているいくつかの本の中の、これは確かな一つです。

まだ読んでない人、27巻という大長編ですけど、絶対に絶対に後悔はさせません。
一度手にとってさえいただければ、そこからはもうカリエという少女が貴方の首に縄つけて無理やりにでも引っ張り込んでくれます。そうなれば、あとは夢中になってこの流血女神伝という奔流の中をアップアップと溺れながら最後まで泳がざるを得ないでしょう。
ご愁傷様です。

最後に、作者の須賀しのぶさんに、この物語を最後まで読ませていただけたことに、ただひたすら感謝を。
それから、子供世代の話に期待を膨らませつつ、もうしばしこの胸いっぱいの感慨にひたらせていただきたいと思います。