レンタルマギカ魔導書大全 (角川スニーカー文庫 177-99)

【レンタルマギカ 魔導書大全】 三田誠/piko スニーカー文庫


ショートストーリーに短編が一本ずつ。それに絵師piko氏のイラストギャラリーが収録されている、スニーカー文庫じゃ珍しい、というか見たことの無いタイプの本ですねえ。コバルト文庫じゃ<マリア様がみてる>や野梨原花南の<ちょー>シリーズなんかから出てたのを買った覚えがあるけれど。
とはいえ、piko氏は非常に好きな絵師の一人なので、この値段でカラーイラストというのはお得かも。文庫サイズの画集みたいなものだし。
ザ・スニーカーは買っていないので、全然見たことの無いイラストばかりですしね。
こうして見てると、どの絵でもみかんが元気一杯だなあ。内側から弾けるような溌剌さが迸ってる感じ。あと、私服のタンクトップが危ないです、露出しすぎ。胸元無防備すぎ。脇甘すぎww
面白いのが、アディと穂波。最近じゃあ本編でもそうなんだけど、イラスト見てると改めて実感するのが、二人とも仲良すぎ(笑
二人とも、いつきとの絡みよりお互いでいちゃついてるイラストばっかりじゃないですか。
一番の親友で生涯のライバルで気心の知れた喧嘩友達で同じ人を好きになった恋敵。おんなじ要素を持ったキャラはけっこう見るけど、これほど仲の良いのはあんまり見たことないですなあ。
イラストの初出一覧を見てみると、イラストの掲載順はだいたい時系列なのですね。なるほど、アディと穂波が絡んでる構図は後半に行くほど多くなっていくのですが、これって小説本編での二人の関係の進展というか変化とリンクしてて、面白いなあ。
影崎はもっと凡庸とした特徴の無い人物をイメージしてたんだけど、もともとこういうデザインだったのか、アニメの影崎が先なのか。
ダフネさん、ちっさすぎます。もっとこっち近づいてください! ダフネも本編ではデザイン出てなかったんじゃないのかな。根拠もなく肩で切りそろえたショートカットというイメージだったのだけど。いや、しかし髪の色が銀なのと、髪型がストレートというのを除けば、かなりアディにそっくりなんじゃないのか? このイラストだと遠目なので分かりにくいけど。ところで、なんでこの人はキッチリした黒スーツ姿で買い物袋をぶら下げてるんだ? しかも、ネギ刺さってるし。どういうシチュエーションなんだ? ひそかに、彼女がアニメ版にまだ出てないのが不満なのですよね。隻連さんは登場するようですし、彼が出るなら彼女の登板もありますよね。期待しておこう。

ショートストーリーは、猫屋敷と四匹の猫の出会いから、猫たちの視点での新しいアストラルが始まるまでの物語。
以前から、前のアストラルでの猫屋敷の立ち位置ってちょっと予想できてなかったんだけど、そうかー、性格や立ち振る舞い、かなり違ったのか。
少年の頃は少年らしく生意気で捻くれ者だったわけか。会社の中では最年少だったんだろうし、何となくだけど可愛がられてたんだろうな、というイメージもわいてくる。
そして、社長がいなくなり社員たちが去ってしまったアストラルを、一人で猫たちとともに守ってきた猫屋敷。
今のアストラルでは最年長として、右も左もわからないいつきや魔法使いとしては超一流でもまだまだ若い穂波やアディ、幼いみかんという年少組をそっと支えて見守るお兄さん役なんだけど、こうして前アストラルやいつきが来るまでの時間が停まってしまったような時期を垣間見ると、なんともじんわりと胸に染みわたっていく感慨が生まれる。
今の賑やかで騒々しいアストラルを一番楽しみ喜んでいるのはこの人なのかもねえ。
短くて訥々とした話なんだけど、猫屋敷というキャラに深みを与える良いショートストーリーでした。


そして、短編の方は、アディと穂波。上でも書きましたけど、二人の仲の良さがついに極まりきってしまったようなお話で。やっぱり、著者、この二人の熱々ぶりは意図的だったのだな。それとも、気がついたらこうなってたのか? どちらにしても、二人の熱愛度がえらいことになっているという自覚はあった模様。
でないと、こんな話思いつくか!
というわけで、アディと穂波が結婚する話……いやいや、ホントに。
もう読んでる間中、顔の筋肉緩みっぱなし。この二人が主軸になって、いつきが振り回され、最終的に三人ともがあたうたテレテレする話は、いつもニヤニヤさせられるんだけど、今回は結婚話とあって威力がとてつもないことに。
傍目には、いつきがアディと穂波を二人まとめて花嫁に貰ってるようにしか見えんものなあ。ドレスの見立てまでやってるんだから。

それにしても、この三人は理想的な三角関係になってきた、ほんとに。こうまでヒロイン二人の気持ちが通じ合い、お互いの想いを共有するようになったら、逆にどちらか一人が、という状況をお互いが許せなくなるだろうし。
いつきはいつきで、頼りなさげな所が優柔不断にはならず、芯の通った好感のもてる主人公になってきたし。どちらも選べない、じゃなくてあたふたパニくりながらも、大事なところではしっかりと両方を受け止める、もしくは捕まえる決断のできるキャラになってると思う。
うむ、まさしくこれぞ理想の三角関係。なかなか、こうなるのって難しいんですよ、ほんとに。意外と見ないですもんねえ。