時載りリンネ! 2 (2) (角川スニーカー文庫 203-2)

【時載りリンネ! 2.時のゆりかご】 清野静/古夏からす スニーカー文庫


雨が上がった後、大気中の埃や塵が洗い流され、普段から見ている景色が果てしなく澄んで見える瞬間がある。
景色の中の色という色が鮮やかに存在を主張していて、世界というのはこんなにも色鮮やかんだ、なんてふと柄にもなく腰に手を当ててグルリと遠くまで広がる街並みや山の緑を見上げて目を細めたりなんかする時がある。
この作品を読んでいると、脳裏によぎるのはそんなくっきりと浮かび上がる彩鮮やかな色彩のきらめき。そんな中を、リンネや久高たちが飛び跳ねながら駆けすぎていくのだ。
たぶん、頭の中でハイビジョンさながらの明度で弾けるこのミドリや水色をした明るさや色彩は、登場人物たちのほとばしらせている生命力なのだろう。この子たちは、文字列の中にしか存在していないというのに、どうしてこんなにも輝いているんだろう。
不思議、不思議。でも、とても素敵な不可思議事。
こんなにも読んでいる最中に、キラキラとした鮮明とした光を意識させられる作品にはちょっとお目にかかったことがない。単に、リンネたち子供たちが楽しそうに走り回っているだけなのにねえ。
雨上がりの澄んだ大気のような。朝日が昇ったばかりの朝の冴えわたった空気のような。小川の瀬を流れていくせせらぎと風のような。
爽やかで、若葉のようないいにおいがして、これから何かが始まるかのようなドキドキとワクワクが敷き詰められた、瀟洒で品の良い宝石箱のような物語。
ああ、素晴らしい。ああ、素敵。語るも語らず、午睡に戯れるような陶酔に浸れる至高の逸品でした。

MARVELOUS!!