Dクラッカーズ+プラス―世界-after kingdom- (富士見ファンタジア文庫 (96-30))

【Dクラッカーズ+プラス 世界-after kingdom-】 あざの耕平/村崎久都 富士見ファンタジア文庫


ごめん、舐めてた。貴女のことをまだ全然見縊っていました、千絵ちゃん。
Dクラッカーズの本編エンディングから漠然と想像していた千絵たち四人の将来像と、実際の彼女らの未来、まったくスケールが違いすぎて吹いた、吹きましたがな!
所詮、探偵になると言っても現実的にこの日本じゃ探偵という職業は千絵がやりたいこと、成し遂げたいことを実行するにはあまりに卑小な力しか持たない存在なわけです。
まあ、たとえ夢をかなえても、せいぜい葛根東のような地方都市で名物探偵として表に裏に名を知られる名探偵……てところだと思ってました。
ほんと、すみません。
完璧に見縊ってました。
いや、市警云々と単語が出てきたところで、あれ? と首をひねったんですよ。千絵と梓、二人がどこで相変わらずなことをやってたのか判明したときにゃ、素で吹きましたがな。
甲斐君もそうです。
結局、そのままアンダーグラウンドで覇を唱えても、所詮この国じゃヤクザの若頭がせいぜい。ある意味表の世界よりも窮屈で自由の無い業界で、甲斐みたいな男には似合わん世界に思えて、こいつはいったいどこに行くんだろう、と思ってたんですが……。
こりゃ、茜が一番大変だ。甲斐は何の屈託もなく、彼女が自分を追いかけてくることを疑いもしてないみたいだけど、あんた元カノの好敵手への要求度、高すぎますよ(笑

Dクラッカーズ本編後のアフターストーリーということで、ある意味戦々恐々としていたのですが、まったく、いい意味での期待を絶対裏切らない人だな、もう。
何もかもが、期待や予想の斜め上。アフターストーリーという括りだけで見ても、これ以上ない出来栄え。これぞあのキャラクターたちのその後を描いた物語の最上級の逸品。
畜生、こっからもう一度、Dクラッカーズ・ネオ、みたいに続編出してくださっても大歓迎♪ と言いたくなるぐらいにテンションあがっちゃったじゃないか。

かつての中坊三人組。久美子と香苗の成長に目を見張る。動の久美子に静の香苗。まるで、以前の梓と千絵を見るようで思わずニヤニヤ。ちゃんと二人の後を継いで、実践捜査研究会として活動を続けてたのね。
書き下ろしのみの短い出番の新登場ながら、きっちりと存在感を示した新キャラ高校一年生の歩美と蘭子。
いっそ、この子たちで三代目実践捜査研究会を引き継いでもらって、女子大学生探偵香苗と久美子の四人の組み合わせで話を続けてもらっても、立派に作品として成り立つんではなかろうか。
てか、見てみたい。
とはいえ、なにより真打ちは梓ちんと千絵ちゃんなのであった。きっちり美人に成長してるんだもんな。いや、一番えぐい成長の仕方をしてるのはやはり景ですか。表紙みりゃわかりますが、いろいろな意味で凶悪です。べらんめえ。
ところで、景と梓の関係はみんなにつつかれて遊ばれてるわけですけど(やっぱりプロポーズとか梓からが当たり前だと思われてるのかww)、気になるのは千絵と水原の方なんですよね。その辺、ちょっと期待してたんですが……息の合いっぷりは以前よりはるかに上がってるんだけど、具体的な描写は見当たらなかったなあ…残念。それっぽい表現もないことはないんだけど、深読みしすぎのようにも思えるし。

そして、しっかり存在感を示してくれたのは<車椅子の男>。
再召喚、成功してたのか!
出番自体はごくわずかだったにもかかわらず、ずどんどかん、ととてつもない存在感。その魅力的な敵役の風情たるや、さすがだなあ。
だから、こうも小粋に健在っぷりを見せつけられると、その先を夢想してしまうのもムベなるかな。

ああもう、悔しいなあ。いいように手のひらで転がされてます。もう最高!
もう一つの中編。いわゆる本編直前のエピソードも、Bたちや甲斐、キメリウス以外ではもっともクレバーだったんじゃないかと思われるディアボロという敵役と、再会したばかりでメンタル面であわあわな景と梓の内面が合わさって、これまたなかなか読みごたえのある良作でした。
まあ、Dクラ読んだ人でこれ読まない人はいないですよね。期待にそぐわぬ出来栄えでございました。満足。
ああ、でもこれでほんとに終わりってのはやっぱり悔しいなあww
BBB終わったあと、なんかしませんか? ほんと