ゆうなぎ (HJ文庫 わ 1-2-1) (HJ文庫 わ 1-2-1)

【ゆうなぎ】 渡辺まさき/山田秀樹 HJ文庫


これ、タイトル見た時はポカン状態。我に返って、ああなんだ、あれとおんなじか似通った世界観の話なのか、と一人合点していて、本を手に取ったんですが。
再度ぽかん状態。
これ、まんまかつて富士見F文庫で出た【夕なぎの街】シリーズの続編じゃないですか!!
昔、これの続編が出ないことに狂乱しながら呪詛をぶちまけていた私です。本来なら、狂喜乱舞して然るべきなんでしょうが、あんまりにも不意打ちだったので、ポカン状態のまま読了してしまいましたw
だって、続きでるなんてまさか思わないよ!!

しかし、思いきったというか無茶な構成ですよね、これ。前作を知らない人にはなんの説明もしてないし。多少はあらすじをつけるのか、本編でこれまでの話に触れるのかと思ったら、一切ないものね。マイカの体質とか、コウの師匠の身の上とか、本当にまったく説明ないもん。いいのか!? これ、前作までの話知らない人にはわからない部分がかなりあると思うんですけど。小料理屋で働き始めたマイカに弟が訪ねてくるシーンなんか、以前のエピソードで何十年も経って政治家として大成した弟に再会する話を読んでたら、まだ若く実年齢でもちゃんと年下の弟との普通の姉弟らしいやりとりには、さまざまな意味で胸を突かれたりするんだけど。
富士見でのシリーズ、手に入りにくいとは思いますけど、入手できる人はぜひぜひ手にとってみてください。本当にいい名作なんで。
もちろん、レーベルを変えて新しくはじまったこの【ゆうなぎ】も、前と雰囲気もなんも変わらず、しっとりといい話でしたー。
ところで、コウ……異様におっさん臭くなってませんか? 前はもうちょっと若者らしかったと思うんだけど。もしかしたら、けっこう年数経ってるのかしら。周りの人間が歳とらない人ばかりなので、シーンからは読み取りづらい(苦笑
マイカの店の店長がまだ元気っぽいので、年月経ってても二年とかそのくらいだとは思うんだけど、それにしてもコウはおっさんっぽく…w
エピローグでのお土産の話を読んでると、マイカとコウにはそれぞれ好意ありそうな気がするんだけど、どうなんでしょうねえ。
いやなんにしても、まさか再開するとは思ってなかったので、感動しきりです。これ一冊で終わりじゃないですよね。まだ続きを延々と出してほしいです、ほんとに。


十八番街の迷い猫―夕なぎの街 こころのかけら―夕なぎの街