真月譚月姫 6 (6) (電撃コミックス)

【真月譚月姫 6】 佐々木少年 電撃コミックス


既に、原作ゲームの範疇から外れ、オリジナルの展開へと突入しているにも関わらず、この圧倒的なまでの【月姫】観は素晴らしすぎて、もう泣けてくる。
本気で、この筆者は散逸しているあらゆる月姫の要素を一本に凝縮するつもりなのかもしれない。
アルクェイドのルートを基本としつつ、シエル、そして遠野家、七夜のそれまでも。
そして、あのもう一人の殺人鬼も。
筆者のサイトで、本巻の表紙は彼にすべきだったと述懐しているように、本巻でもっとも輝いていたのは、遠野四季と言えるのではないだろうか。
思い起こされる過去の情景。眩しいばかりの子供時代の思い出。そこに現れる幼い四季は……(号泣
プラスディスクだったかな。本編では結局どういうやつだったのかわからなかった四季が、実は士貴とかなり気の合うイイ男だったと知れたのは。
この真月譚月姫にて描かれる少年時代の四季は、まさしく志貴の親友と呼ぶに相応しい少年でした。自身の運命を受け入れたいさぎの良い、快濶な人柄。化け物となっていく自分の末路への怯えを抑え込み、親友や妹に見せない強さ。秋葉にとっても、いい兄貴だったんじゃないか。自分の決着を、志貴に託したのは、暴走した自分が妹を傷つけることを恐れたため。それは同時に、秋葉を志貴に託したのと同じこと。妹を想い、親友を信じ、その果てがあの結末であり、この現在だというのか。
運命とは残酷だというのが定番だけど、四季の人柄を見てしまうとあまりにも辛い。
そして、その残酷な運命は現在進行形で、カコを思い出した志貴と、秋葉を苛むわけだ。
ゲーム原作では実兄四季に対して非情に徹していたところしか見せなかった秋葉だけど、こちらでは心の奥底で未だかつての優しい四季の面影が思い起こされてか、苦渋を浮かべるシーンがある。まだ、慕う感情が残っているのか。自身も破滅の足音を聞きながら、実の兄を殺する使命を負い、慕う義兄を危険から遠ざけることができず、苦しむ秋葉の闇は深い。

そして、シエル先輩。蛇との戦闘シーンは、圧巻の一言。
いや、それよりも衝撃的だったのが、教会での審問シーン。
あのね、もういやこれ(涙目
文章だけでも相当だったけど、これはアカン。この人がこんなシーンマンガにしたら、洒落にならん。うわははは、あかんあかん。
シエルがなんで発狂しなかったのかが不思議なくらい。もう何もかもが異常で狂ってる。

んで、最後にアルクェイドだ。
もうこれは見てくれとしか言いようがない。
恋という感情を知ってしまった吸血鬼。それはただのひとりの女の子でしかなく……

どこまで登って行こうとしているのか、この月姫は。
もしかしたらこれは、本当に月姫を知る誰もが望む最果てに辿りつこうとしているのか……。
これはもう、期待ではなく確信なのかもしれない。