封殺鬼鵺子ドリ鳴イタ 3 (3) (小学館ルルル文庫 し 2-5)

【封殺鬼 鵺子ドリ鳴イタ 3】 霜島ケイ/也 ルルル文庫


すげえ、志郎すげえよ。あんたすげえ(爆笑
大した男だとは思ってたけど、凄い。あの桐子さまに「友達」と言わせるとは。「ありがとう」と言わせるとは! しかも無理やり(笑
ある意味、聖よりすごいかもしれん。
言ったあとで荒れ狂う桐子(14)が可愛くて仕方がない。荼吉尼の異名で恐れられた少女がこんな顔を見せるとは、色々と感慨深いなあ。
いやでも、無理矢理でもなんでも、桐子が思ってもないことを口にするわけがないので、あれは本心なんだろう。それだけに、八つ当たりしまくってるんだろうけど(笑
しかし、あの桐子がこれほどいいように振り回されるとは。聖相手にだって、もう少し体を為してるのに、志郎相手だとほんとに形無しだ。
これで、志郎が将来の桐子の旦那だと確定しているだけに、逆に分かっているがゆえの楽しみというべきか。この二人の関係は本当に面白い。ニヤニヤが止まらん。
あの釣り堀での一件以来、どうやら志郎は聖の頼みとは関係なく、桐子という少女に関心を抱いたみたいで。なるほど、幽明の境をフラフラと行き来する男にも関わらず、決して他人に無関心ではなく、すっと手を差し伸べてしまえる優しい男なんですねえ。その上、けっこうしたたかだし(笑
いや、本当にあの桐子を手玉に取ってしまえるんだから、凄いなあ。

「人食い」事件の方は、ついに敵の正体と目的が薄らと見えてきた。闇の闇。異端の外法か。この国の闇を憎み呪うもの。その発端は悲劇かもしれないけど、やってることは外道以外の何物でもない。やがて狂気に侵され暴走を始めるこの国の、もっとも深き闇の奥底に潜り込み、うごめく邪悪。
立ち向かう桐子は、ついに覚悟を決める。周りを遠ざけ孤独に生きるのではなく、周りを守り、責を負う当主としての覚悟を。
だが、それはやはり孤高の道。どれほど桐子のことを思おうと、聖も弓生も宇和島も、支えとはなれても、傍で寄り添うことはできない。上下ではなく、命じ命じられる関係ではなく、傍にいられる関係。聖は、それを志郎に期待したのか。
まだ14歳にすぎない桐子が抱える洞は深く底が見えない。その洞に気づいてしまった志郎は、もう彼女を無関心に見過ごすことはできない様子。その関心が、お節介がやがて彼女自身に惹かれていくことになるのか。
桐子もまた、この不思議な男に心惹かれていくのか。
結末が分かっているから面白くない、なんてことは一切ないのが人間関係の面白いところ。その変化の過程こそが興味の中心。
さあ、どうなるどうなる?

……って、今度は聖がっ!!