零崎曲識の人間人間 (講談社ノベルス ニJ- 21)

【零崎曲識の人間人間】 西尾維新/竹 講談社ノベルス


とりあえず、零崎舞織こと無桐伊織が久々に堪能できたので大満足ですw
初登場作品の人間試験以来じゃないかしら、こんなに伊織ちゃんが登場してくれたのは。と言っても、この本の一話だけなんですが。
なんだかんだと人識とはよろしく…ええ、よろしくやってた模様で。元の家族を失い、新たにできた兄を失い、両手まで失っての逃避行の日々。つい先日までただの女子高生だった伊織にゃヘヴィすぎる状況なのでもっと暗い雰囲気なのかと思いきや、ほんとによろしくやってた模様で。むしろ、一緒にいる人識くんの方が気にしてるくらいで。
なーんか、思ってた以上に人識は伊織のこと大切にしてるんだよなあ。本人は双識から託されたからだの、もっと突き放したクールな関係を気取ってますけど、やってること見たらめちゃくちゃ大切にしてるじゃないですか。もともと、実は世話好きだったりする子でしたけど、いーちゃん相手の時と比べても、身が入ってるというか親身になってるのがわかる。
自分では偽装のつもりで曲識に告げた「恋人」という関係。傍から見てるとそれ、偽装とも言えないですよ、これじゃあ。伊織の方は、まったくまんざらじゃないみたいですし。
曲識のセリフじゃないですけど、人識は変わったよなあ。最初に出た頃のなにしでかすかわからないヤバい雰囲気は鳴りを潜めて、抜き身だった刃が鞘に収まったような安定感を感じるようになりましたよ。見てて、危なっかしさみたいなのが消えた。
いーちゃんも本当にイイ方に変わりましたけど、この人識もイイ方に変化したもんだ。本人にはあんまり自覚ないみたいだけど。

それにしても、人識はまず置いておいて。零崎一賊って殺人鬼である以外はみんな意外と人間的、人格的に真っ当な人が多いですよね。ってか、双識にしても、軋識にしても、本編の主人公(?)たる曲識にしても、変態的なところはあるにしても、破綻度で言えばこの戯言使いシリーズに出てくる人間の中では本当に真人間に近い人ばかりのように見える。喜怒哀楽にも欠損なく、親しきヒトを慮り、優しさを忘れず、友情を大切にし、家族を守る。
ほんと、なんで殺人鬼なんだ? と思うくらいに。

さて、次回は本命、零崎人識の物語。戯言シリーズのもう一人の主人公格のお話ですし、なにより伊織にいじられ振り回される人識が存分に堪能できそうで、楽しみ楽しみ。
……いまさらバッドエンドみたいなのは無しですよ?

…って、人識の話ばっかりしてしまった。曲識主人公の本なのにw