世界平和は一家団欒のあとに 4 (4) (電撃文庫 は 9-4)

【世界平和は一家団欒のあとに (4) ディア・マイ・リトルリトル・シスター】 橋本和也/さめだ小判 電撃文庫


彩姉ちゃん、めちゃめちゃ不器用な人だったんだなあ。星弓家って、おおむね誰もかれもわりと要領の良い(肝心なところでは不器用だったりするけど)人たちばっかりだったので、彩美の不器用な性格は新鮮なほど。これまで、ほとんどスポットの当たらない人だったので、いまいちどういう人なのかわかんなかったんですが、この話は良かったなあ。一気に星弓家で一番好きな人になりましたよ。
これまで、星弓家の面々って、それぞれあまりにも個性的すぎて、兄弟でもあんまり似てると思うことがなかったんですが、今回の彩美姉さんの話を読んでて、はじめて星弓家の兄弟で主人公の軋人と似てるなあと思いましたよ。どこが、って具体的に言うと難しいんですけど、でも今回はその辺意識して書かれてたようにも思うんですよね。性格だのなんだのを超えた、血の繋がりみたいな領域で。もちろん、幼い頃軋人が彩美に憧れて彼女みたいになりたいと思ったという過去の思い出も関連してるんだろうけど。
身体だけじゃなく精神的にも幼児化してしまった時の彩姉。可愛い、というだけじゃなく、完全に内面が無防備になってしまってたのは微笑ましかったです。成長すると上手く自分の心の内を表現できなくなるのかな、不器用な人は。幼児化した彩美は、本当に素直に心の在り様を表に出してるんですよね。竜助に対して彼女がどう思ってるのか、どれほど心を預けているのか、信頼しているのかが自然と表に出てて、思わずニヤニヤ(笑
高校時代のエピソードを見てると、あの態度は確かに分かりにくいですよ。竜助が鈍感だから、で片付けるのは可哀想です(苦笑
でも、さすがに25にもなったらもうちょっと上手く自分をコントロールできるようになったのかな。ラストの姉ちゃん、とっても素敵でした。
あのカップルはいいですよ、素晴らしい二人です。
姉ちゃんの青春時代。曖昧なまま終わってしまったそれは、今になって苦い真実が明らかになってしまったわけですけど……この作品ってポイントポイントで容赦ないんだよなあ。
彼女、どんな思いでそれを守ってきたんだろう。ただ、今後はただ抱え込むだけでなく、真相を知りながらもなお絆を切らさないことを選んだ人がいてくれるようになったわけで。重さに押し潰されずにいることを願いたい。

ところで。
ゆずっちは、着実に嫁ポイントを稼いでますねえ(笑
なんでかこの娘は恋人とか言うよりも、嫁というイメージが膨らんでいって仕方ないのですが。今回も将来子供ができた時にどんなお母さんになるのかというのが如実に伝わるエピソードでw
あの失言とか、もろに自分で外堀埋めてってるしねえ。もう、無意識領域で既に将来的に星弓家の嫁になると思ってるとしか……w