月光のカルネヴァーレ 3 (ガガガ文庫 し 1-3)

【月光のカルネヴァーレ 〜白銀のカリアティード〜 III】 J・さいろー/大崎シンヤ ガガガ文庫


久々に、鼻腔の奥までニトロプラスらしい無常の感を堪能させてもらいました。この硝煙と血と日の差さぬ路地裏の溝臭いすえた匂いのする世界観こそ、これぞニトロプラスって感じだわな。

血を浴びて泥を啜るような薄汚れた夜の世界の奥底で、燻ぶり朽ちた男が愛を思い出し、子らを慈しむ心を手にした温かく未来を感じさせる光を手にしようとした、その果てがこの悪夢だというのなら、それは無常以外のなにものだというのだろう。
それでも、男は一度その心に宿した光を消し去ることなく、怒りを滾らせる。
自分を親父(バーボ)と呼んでくれた子供たちの無念を晴らすため、自分が愛し、自分を愛してくれた一人の人形が信じる自分を証明するために。
それは不器用な生きざまかもしれない。報われることのない無様な意地なのかもしれない。
それでも、その男と人形は自分たちが選んだ道を、最期までまっすぐに走り切ったのだ。その果てが人生の終着だったとしても、二人に後悔は見当たらない。
魂の一片まで燃やし尽くす、虚しくも満ち足りたその生きざまに、したたか酔ったように瞑目する。