銀月のソルトレージュ5  針のように細い銀の月 (富士見ファンタジア文庫 147-6)

【銀月のソルトレージュ 5.針のように細い銀の月】 枯野瑛/得能正太郎 富士見ファンタジア文庫


なんか、結局まとめきれずに終わっちゃったって感じだなあ。枯野さん、書きたいことの半分以上、書き切れずに終わっちゃったんじゃないだろうか。
というわけで、構成の点で全体的に失敗している感もあるこのシリーズ。
それで面白くないってのならどーでもいいやと忘れてそれで御終いにしてしまえばいいんだけど……

これで、やたら面白いからタチ悪いんだよなあ(笑

ああもう、私、枯野さんの作品それはもう無茶苦茶好きです、っていう大ファンなので、このシリーズが十全の状態で書かれたらどれほどの最高の作品になったのだろうと夢想してしまい、悶え苦しむしかないのであります。
絶対、悦楽の果てに狂死してしまえただろうにww

世にはびこるジネット派、アリス派、ライア派の諸兄諸君。
私は、全部派だ!!(意味不明

口絵、挿絵、本文。すべてで悶死。おーらい、白旗を掲げろ!

最終巻ということもあって、魔女と不死者にちなんだ一連の謎。最初の魔法書【一つ目の嘘(ソルトレージュ)】にまつわる世界の真実が、バタバタとドミノを倒すように明らかに。
この鮮やかな真相開示の展開には、もう圧倒されました。
いや、事の真相が明らかになったことで、こうも登場人物たちの行動原理やそれぞれの想いの理由が一気に理解できるようになると、もはや爽快ですらあります。
ここに至ると、主要な登場人物のだれもが、自分の行動の独善性や害状、把握し理解しつつ、それぞれの大事な人にとって良かれと信じた想いを優先して動いていることが明らかになる。
ライアにしても、アヴィンにしても、アルト老にしても、悪を為すことの意味を決然と胸に刻んだ、かっこいい人たちだよなあ。それだけに、その戦いは悲痛で辛い。
だから、アリスの声援に、ジネットの決意。リュカの奔走は胸のすく思いだった。
たとえ、それが問題の先送りにすぎなくても、なすすべもなく悲劇と惨劇の末路を辿った先の魔女の物語に比べれば、リュカたちが勝ち取ったものはかけがえがなく、素晴らしいものだと思う。
なにより、なんだかんだと上手いことジネットとアリスの両方を抱え込んじゃったリュカは、むちゃくちゃ美味しい結末になったんじゃないだろうか、このやろうしね。

いやもう、特にアリスなんか最初から立ち位置的に非常に幸薄そうで報われなさそうなポディションだったから、まさかリュカからあんなストライクなほぼプロポーズ同然の言葉を頂けるとは。やっほーーっ!!
アリスのかわいらしさは、このソルトレージュシリーズ、一貫して最後まで超ド級でございました。アリスかわいいよ、アリスカワイイよ、かわいいよぅぅ。表紙めくった口絵一枚目で即座に悶死。あれは反則。
ところが、萌え度ではアリスの後塵を拝していた(私脳内)ジネット姫でございますが、最後になって怒涛の、怒涛の、怒涛の大反攻! 一人上皇作戦!!
新妻ジネットとの新婚生活!(吐血
いわゆる、デレ期?
もう、あほかと。血を吐いて死ねと?
これが枯野氏が書くだけあって、変にいちゃいちゃしてなくて、自然に、ナチュラルに、二人の穏やかな日常生活がさらさらと描写されていて、それが逆に恐ろしく、もう恐ろしいまでに、さわやかに新婚生活っぽくて……(喀血)
とどめに、こんなもう逃げ場のないような生活のど真ん中で、ジネットの丸投げ告白。

ごちそうさまでした♪

……いやいや、違う違う、それはあっちの人類が滅亡しそうな話のあれだからして。
食べちゃだめ。

っていうか、食べろよ!!
あらゆるいみでりゅかくんしね。というかころす。

ジネットは、ちっちゃい姫君のときも反則級に可愛いんですよね。やんちゃでおてんばで、そして健気で献身的で。
アヴィン相手の無邪気で、こまっしゃくれてて、悪戯っぽくて、でも聡明で賢い小さなお姫様のときのジネットの萌え度は、完全にアリスと肩を並べます。つまり、即死。
わお。

アリスかわいいよ、ありす。
これって、一応アリスが本妻になるのか?(マテ
アリスもジネットも、両方自分は一歩引いて相手の方を立てようとしてるしなあ。リュカに関しては、共有財産扱いだけどw

そして、おねえちゃん。お姉ちゃんですよ。
この傍若無人で唯我独尊で、弟君をいじめてからかって玩具にしてるひどいお姉ちゃん。それでいて、自分の存在をなげうってまで、弟を守った姉貴。この、人の意見なんか聞かずに自分勝手に自分のやりたいように奔放に、思う通りにやりたい放題にやった行動が、自分の存在を消し去ってまで可愛くない生意気な弟を守るための行動だった、っていうあたりが、この姉貴のキャラのめちゃくちゃ素敵な部分なんですよね。
もう、最初から最後までリュカに対してめちゃくちゃするし、言葉で苛めるし、手も出るし、ひどいのに(笑
ひどいのに、でも、リュカの姉貴なんですよね。クローディア。
この姉弟も、素敵だったなあ。


というわけで、結局最後はアリスにジネットという両手に花状態に加えて、姉貴にもぐりぐり弄られるハーレムエンドになってめでたしめでたし……あれ?

……まあなんにせよ、大好きな作家の大好きな作品が大好きなまま終わって良かったなあ、ということで、次回作にも期待してます。
今度は十全で成功してほしいなあ。


アリス可愛いよ、ありす^^