ANGEL+DIVE (1) (一迅社文庫 (し-01-01))

【ANGEL+DIVE 1.STARFAKE】 十文字青/青稀シン 一迅社文庫


……うー(頭を抱えてます)

……あー(天井を仰いでます)

……はぅ(項垂れた首を左右に振っております)


参った。なんというか、参った。降参。この作者、やっぱり一筋縄ではいかないですわ。ラストエピソードで、そこまで読んでジワジワと培ってきた淡くも柔らかな感慨を、一気に捻り潰された。
それこそ、クキッと仔猫の首を折るみたいに。
おかげさまで此方の気分と来たら、幸福な夢から覚めたばかりの餓えた生き倒れだ。ちくしょうめ。
別に怒ってるわけじゃない。ただ単に、いきなり仄かな満腹感を、飢餓感にすり替えられたものだから、悶え苦しんでいるだけだ。
正直、たまったものじゃないが、さらに正直にのたまうならマゾヒスティックな至福に恍惚としているともいえる。
おかげで、このまま放置されれば、それこそたまったものじゃないことになってしまう。続きを。迅速に続きを。
その空白の時間に何があったのか。彼女たちはいったいどうなっているのか。なにをしているのか。どういう関係性を保っているのかいないのか。
生殺しだ、ちくしょう。
最後の最後まで、これを【時載りリンネ】のたぐいだと勝手に誤解していた自分が腹立たしい。これを書いているのがあの十文字青だということをすっかり忘れていた。
いっそ、そのままのジュブナイル的なストーリーだったとしても十分傑作の縁に足を乗っけて飛び越えて行けただろうに。斟酌することなく、自分のスタイル、自分の書きたいように突き進むその筆調には尊敬の念すら覚える。
ただ、容赦のないのがこの作者の特徴ではあるけれど、同時に【薔薇のマリア】でも示されているように、悪徳に淀み、邪心にまどろむ世界の中でも、弱き人々の心の中にある善意を否定せず、闇の中で儚くも燦と輝く魂を描くのもこの人の筆なのである。
なので、単なる鬱々とした展開になることはないと信じているし、期待している。たとえ心に大きな傷を負っても、失われた人がいたとしても、これはきっと前に進む物語なのだと、思いたい。
でも、登場してきた人たちは、ヒロインである依慧、織慧の双子の姉妹に、幼馴染の希有。黒雪氏にマタノリア。春と秋葉の姉妹といい、みんな好ましいキャラクターだったので、誰か欠けてたらヘコむだろうなあ(苦笑
春姉なんか、非常にヤバそうなんだけどww