コードギアス 反逆のルルーシュR2  TURN―1― (角川スニーカー文庫 201-11)

【コードギアス 反逆のルルーシュR2 TURN―1―】 岩佐まもる/toi8 スニーカー文庫


相変わらずアニメ見てない人はお断りのノベライズなんですけど、これはもう見てる人は必見! と言いたくなるくらいに濃い内容です。
今回に関していえば、ほぼナナリー主人公!
ルルーシュそっちのけで、VVに攫われてからエリア11総督として現れるまでのナナリーの置かれた立場と境遇、そして彼女の決意と覚悟がこれでもかというくらいに描かれております。
今までルルーシュに守られてきたナナリーの、なにもしなかった、なにもしようとしてこなかったという後悔。自分がこれまでどれだけルルーシュに頼り切り、そのことで彼に負担をかけ続けてきたかを思い、ルルーシュの生死不明の状況も加わり、苦しみもがくナナリー。その上で、自分の意志ではっきりと、自分のなすべきことを為そうと決意し覚悟する可憐な花。
作中で、シュナイゼルの副官が彼女をユーフェミアとはまた違う資質を垣間見、「怖い」と感じたと評するのですが、確かにこの小説内で自らの意志で動き始めたナナリーには、未だ微かにですが威風の気配が感じられます。自らの足で立てず、目も見えず、ユフィよりも儚く無力でか弱い少女であるはずのナナリー。ですが、彼女はまさにあの閃光のマリアンヌの娘であり、ルルーシュの妹でもあります。
もしかしたら、アニメの方で見えているよりも彼女が後々呼び起こすものは大きいのかもしれません。そんなことを予感させるのが、この小説内におけるナナリーの姿でありました。

他にも色々、アニメの方では知れなかった情報が。ラウンズのアーニャとナナリー、実はかなり仲良いじゃないですか。意外なことに、むしろアーニャの方がナナリーのことをかなり気に入ってる様子。ブリタニア本国にいた時に、彼女の護衛についていたのがスザクではなくアーニャだったということ事態、ちょっと驚きだったのですけど、まさかアーニャがあれほどナナリーに入れ込んでいるとは、テレビ見てた時は思わなかったなあ。
あの発言からすると、かなり真剣みたいだし。
むしろ、今のスザクよりもよっぽどナナリーの味方なのかもしれない。
と、そのスザクですけど、こいつ……なんか思っていた以上に反転してますよ? もっぱら冷たくなったとか冷酷になったとか冷徹になったとか評判のスザク君ですけど、この小説で彼の細かい言動や内面描写を読んでたら、どうやらアニメで見えてるのから感じるスザクの真意はまだまだ甘いのかも。

あの前作の最終回直後のカレンや、CCとの再会も描かれてて、なんで二人が一緒に行動していたのかもわかります。
シュナイゼルは、やっぱりこの人、普通に傑物なのかも。なんか、ずーっと性格とか陰謀とか裏があるんじゃ裏があるんじゃと疑われてる人ですけど、なんかもう首尾一貫して人格的にも才能的にも傑出した人物にしか見えんなあ。少なくとも、実は黒い人、という線はもう無いように思える。

皇太子も、なんか意外なことになってて……この情報ってアニメの方で明らかになってましたっけ? これって、かなり大きな外交的な動きなんですけど…ルルの立場からして情報が入ってないから描かれてないのか、重要じゃないから描かれてないのか。でも、中華との関係上無視はできないと思うんだけど。
……政略的にはいいんだろうけど、現代的感覚からするとちょっと倫理的には犯罪だぞ。あの皇太子、いい加減おっさんだし! 天子さまはあれ、ナナリーよりも年下だろう? 星刻が反対派なのも、案外そういう視点から…げふんげふん。