モーフィアスの教室 3 (3) (電撃文庫 み 6-22)

【モーフィアスの教室 3.パンタソスの刃】 三上延/椎名優 電撃文庫


よしよし。そろそろ綾乃の言動に変化が見えてきましたよ?
単なる傍若無人で無神経で乱暴な態度から、確かに直人の意識とか自分に対しての気持ちの在り様に対しての反応の結果として、ツンツンな態度になってきている。物凄く直人のことを、直人が自分をどう思っているのかを意識し出しているじゃないですか。
しかも、もうこの段階で自分が直人に対して素直になれていないという自覚を持ちはじめ、その上で自分が直人の傍にこれからも居続けたいと思っていることを認めようとしている状態。
ここで肝心なのは、どうして自分が直人の傍にいたいと思っているかについて、綾乃はまるで考えていないんですよね。自分の感情については認識していても、どうしてそう思うのかについての理由については考察しようという発想から、今はまだ持っていない。
これは意識の死角というやつで、決して意図的に目を逸らしているというわけじゃないんですよね。
ただ、ここまで来るとたとえ本人が理解していなくても、事実上あと一歩のところまで来ているのは確かなわけです。
あとは、足を踏み外して落っこちるだけ。
さり気なく、でも着実に段階を踏んで進行してるんですよね、ふひひww

かといって、綾乃はかなり面倒な性格しているので、すんなり落ちるとはとても思わないのですけど。意地っ張りですし、自分勝手なわりに自分の事については蔑ろにして当然みたいなところがありますし。
救いは、これで自分が面倒な人間であることをけっこう自覚しているらしい素振りを見せてるところですけど、自覚があるからと言って修正できるもんでもないしなあ。
直人は直人で、人の気持ちを察したり、気が利く方じゃないからなあ。

『赤い目』の正体については、正直拍子抜けに近いものがあったんですが、いやいや、ラストにはきっちり収まるところに収まってくれました。
やっぱりそう来ないと。シャドウテイカーでは、修羅場が徹底したものにならずに中途半端になっちゃいましたからね。ここは、徹底的にやって欲しい。
問題は、綾乃の方がそっち方面かなり打たれ弱そうな所ですが。
でも、そうなった場合、三上さんの書く主人公ってわりと引っ張らずにキッパリ答えを出して、自分の思った事をやり通すタイプが多く、この作品の主人公の直人も、あんまり下手にグダグダ悩んで足を止めるタイプじゃなさそうなので、逆に綾乃が立ち止まったり道を失った場合、自分から突っ込んでって引っ張ってくれそうな印象がありますけど。
今は何にせよ、綾乃がガンガン動いてひっぱりまわしていますけど。
その意味では、今回の新キャラの二人はかなり意図的に綾乃と直人の対比となってますよね。
あっさりとした描写で流されてますけど、今回の一件は色々な意味で直人の内面にとってはターニングポイントだったのかも。番人としての在り様としても、綾乃との関係としても。