とある魔術の禁書目録 16 (16) (電撃文庫 か 12-17)

【とある魔術の禁書目録 16】 鎌池和馬/灰村キヨタカ 電撃文庫


未だによくわかんないんだが、どうして当麻くんは記憶を失ったんだろう?
いや、決して原因を問うているわけじゃなく(一巻の事件の怪我が元というのは理解してます)、もっとストーリーの構成上の見地から、上条当麻という主人公が記憶を失うべき理由がずっとわからなかったわけだが、そろそろその理由らしきものを示してくれるのではないかと期待させてくれる予兆みたいなものが現われてきた。
御坂美琴が、主要登場人物の中で初めてにして唯一、当麻が記憶喪失であるという事実を知りえたことで、何かが動き始めたのではないだろうか。
なんて思うのは、やっぱり上条当麻の根底にあるものが、未だにしっくりこないからなんだろう。
こいつの思考パターンは明らかに異常で異質で、狂的にも関わらず、本人から一切の負の要素が見えないんだよなあ。この手の狂人は、なにか理由があってこのような人間になったのだ、という筋道だった変遷がないとどうも安心できないのである。
もちろん、そもそもこいつは生まれながらにこういう人間だったのだからして、ありのままに受け止めるがいい、といわれりゃそれまでなのだが。
実際、そう考えてもいいんじゃないかと思ってしまうような作品でもあるわけだし、この本自体。どうにも、必要以上に負担を溜め込み背負いこみたがるキャラばっかりだし。
でもねえ、うーん。

わからなかったと言えば、今回の敵であるアックラ。あの行間は何の意味があったんだ? 何かの暗喩か、将来への布石か伏線なのか。ぶっちゃけ、最後まで行間の彼と本編の彼に重なるものはなく、乖離したままこの巻は終わっちゃったわけで、敵の在り様に深みを与えるための要素というには、あまりに断絶が大きすぎるんですよね。その程度の理由で書かれたものかというと、やっぱり疑問。となると、やはり将来の布石なのか。
何気に、過去のアックラの行動原理は当麻のそれと重なる部分が多いのにも、なにか理由があるのだろうか。
この作品、色々深読みし出すとどこまでも潜れるんだけど、実はせいぜい腰ぐらいまでの深さしかない浅瀬でしかなかった、という可能性もあったりして、とにかくよくわからん作品で、まいる。

何気にオカルトの解釈と活劇シーンへの応用は、非常に凝ってて、私かなり好きなんですよね。
出来れば、教会思想主体の神学的なものだけではなく、古今東西の魔術についても書いてくれたら、かなり楽しくなるんだけど。手間かかるだろうしなあ。まあいいか。

とりあえず、インデックスの株価は今が底だと信じたい。売りに走られているというより、銘柄の存在自体が忘れられているのではないかという疑問は抱かないでおこう。
でも、自分は美琴派一文字神裂一刀斎なので、特に問題はないわけだが。
灰村氏の描く美琴乙女モードは最高であります!
対抗は五和さんでOK?