サーベイランスマニュアル 2 (GA文庫 せ 1-2)

【サーベイランスマニュアル 2】 関涼子/真田茸人 GA文庫


これ、宝って一応16歳なのか。イラストの印象が強いせいかせいぜい12,3歳のイメージなんだけど。いや、言動も幼いところが多いし、内面も直情的なところとか子供っぽいし、イラストのせいばかりとはあながちいえないか。
ともあれ、一巻の時点ではメインヒロインは宝の方かと思ったのですが、今回のを読む限り、ずっと寧にスポットが当たってた。亮輔との交流でも、距離間がぐっと狭まり、お互いに深いところまで踏み込んでしまった感がある。どこか超然としてみんなを見守るような立ち位置を守ってきた…みんなが言うところのお母さん役をしていた寧が、あの瞬間には普通の女の子になってしまってたわけだし。
ただ、その結果があの顛末と言うのは、やっぱりこれは悲劇の類いだ。亮輔にとっては、それは自分の心をむしばむ絶望へのせめてもの抵抗であり、彼なりの足掻きの結果だったんだろうけど、でも結果は決して上手くいったとは言えないものなんですよね。最善を尽くしたのは間違いなくても、それが最善の行動だったかと言われると、どこか違和感がある。もちろん、追い詰められた状況で冷静に、効率的に、上手くやるなんてそうそうできないんですけど。
でも、どこかで、亮輔の中の絶望が、投げやりな気持ちが作用したような、そんな感覚があるんですよね。
希と父親との、お互いを思うが故のすれ違いと言い、何もかもが重たく、物悲しい。
この主人公の、一生懸命さと裏腹の幸薄そうなキャラクターは何なんでしょうね。あんまり、他では見ないパーソナリティだ。
お姉ちゃんのあれが絡まってるのは間違いないんだろうけど、どこか壊れやすそうな危うい脆さが感じられて、見ていてハラハラ…はしないなあ。ただただ物悲しい。ああ、こういうのを儚いっていうんだろうか。あんまり男に使う表現じゃないんだけど。

結果として、どこか心の奥底で彼が考えていた望み通りの結果を迎えてしまった亮輔。と、それだけでは済みそうにないろくでもない展開が待ち受けているとしか思えないラストの思わせぶりなふりを残して、次巻に続く。
重たいなあ。