付喪堂骨董店 4―“不思議”取り扱います (4) (電撃文庫 お 9-7)

【付喪堂骨董店 4 不思議取り扱います】 御堂彰彦/タケシマサトシ 電撃文庫


はいはい御馳走様御馳走様。もういい加減逆上せそうです、このバカップルめ、バカップルめッ!!
もう結婚しちゃえよ!

刻也が口走ってますけど「まだ付き合ってない」って台詞がこの二人の関係を見事に表現してる気がします。ほんとに「まだ」付き合ってない、だけなんですよね。
……なんで付き合ってないんだ?
不思議なのは、刻也も咲もガツガツと相手のことを求めてないことでしょうか。相手が自分のことを好きなのかどうなのか、という点についてはいささか反応が鈍い。嫉妬やヤキモチはするくせに、ねえ? 相手の自分への気持ちがわからない現状になんら不満を抱いている様子がない。
自分の感情を持て余してて、相手の感情にまで気持ちがおっつかないというのもあるんでしょうが。
おかげで刻也も咲も、相手への気持ちは自覚認識も有するラブマックス状態にも関わらず(何しろ、刻也は刻也で命がけで誰にも渡さねえとか口走ったり、咲は咲で、彼がいなければ生きていけない、とまで言ってるくせに)、それが付きあうとか気持ちを確かめあうという方向にまるで行かずに、ふわふわとその場でたゆたってる。
まあ、お互い相手が自分のことは好きなんだろう、というのはわかってるっぽくて、いまさら口にするのも恥ずかしいような、変に藪蛇突きたくないみたいな感覚なのだろうか。
……なんか、付き合うとか交際するとかプロポーズするとかいう儀礼を経ずして、いつの間にか何となく結婚してそうだな、この二人。そうなるのが自然な形、みたいな風に。
……だからもう結婚しちゃえよ!(w

しかし、現状みたいな関係だと、傍から見てて都和子さんなんかは楽しいんだろうなあ。四六時中ニヤニヤしてるんじゃないだろうか。
偶にちょっかいかけたりして、二人の関係に刺激与えたりしていたずらしたりして。
これが、本格的に付き合いだしたりなんかしたら、自分の歳とか思い知らされてへこみだすんだろうけどw 今が一番楽しい時期ですよ、都和子さんw


第三章の「小指」ですけど……あの女の子はなあ。酷い女だとは思うんだけど、刻人とのデートのあとの別れ方を見る限り、本当に相手の気持ちを理解できない無神経な女ではなさそうなんですよね。
いや、アルバイト先に押し掛けてきたりとか、無神経なのは確かなんですが。
なので、あのオチはなんとも複雑。いや、やっぱり無神経でひどいよなあ、あれは。