シフト 3―世界はクリアを待っている (3) (電撃文庫 う 1-22)

【シフト 3 世界はクリアを待っている】 うえお久光/STS 電撃文庫


読み始めた当初から、微妙な違和感はずっと感じてたんですよね。冒頭、高嶋空の特異なワールドシフトをしばらく伏せた形で見せられていたせいもあるんでしょうけど。
ああ、ウェイトレスが【都】の存在を知らなかったり、という点なんかも引っかかってたのかな。世捨て人同然だったラケルやまだまだ新人で世間知らずなセラたちと違って、それなりにベテランらしく、野心もあり、情報に対してビンビンとアンテナを張り巡らしていそうなこのウェイトレスが、いかな辺境の町とはいえ【都】の存在を知らなかった、という点が気になったのかな。それ以上に、カレンが【都】をこれから発展していくまだまだできたばかりの代物のように口にしていたところが、引っかかったんだろう。
多分、この時点で高嶋空がシフトしてきている世界は、ラケルたちが転位してきている世界の<過去>にあたるものだというのは薄々勘付いていた。それが決定的に確信に変わったのは、既にシフト世界から退場したはずの人物が、現在進行形でカレンの口から語られた一件だったわけだけど。
それでも、以前話題になっていた競馬の話などからして、ある程度の転位の時差みたいなものがあることは理解していたのだけれど、年単位のずれが生じるケースがあり得るのだろうかと逆に悩む羽目になったのだけれど。
とにかく、異例尽くしの高嶋空の状況。
よくよく振り返ってみると、彼女の状態を説明する伏線はそこかしこに配置してあったんだけど、まったく気付かなかったですよw
でも、気づくわけないよなあ。実際、カレンとソラは対話してるんだから。
不覚にも後から気付いたんだけど、この巻って総体的に見て過去編そのものだったんですね。ラケルがサラマンデルとして魔王を名乗っていた時代。そして、リカルドとラケルの因縁の始まり。
そもそも、ラケルは昔がたりなんて絶対したがらない性格だし、昔に起こった事件を語るには、このカレンが確かにもっとも相応しかったと言える。彼女こそ発端であり、中心であり、焦点であり、元凶であり、誰よりも真実を知る人物なのだから。
そして、彼女の真実を彼女とともに体験した高嶋空――ソラが、その真実を携え、今の時代に降り立ったことは、彼女がとてつもない重要なキーパーソンとなることを示していると考えて間違いないはず。
ただ、単純に絡まった糸を解きほぐすマスターキーになれるかというと、それは安易にすぎるからなあ。

ところで、ザンですよ、ザン。
こいつ、その評判とか初登場した時の挿絵とかからして、冷徹な孤高の剣士、みたいなイメージだったんだけど……どうも、なんか全然違うっぽい。
ガキだ、こいつ。たぶん、かなり年下なんじゃないだろうか。しかも、チビに違いない。腕白坊主で、脳筋の熱血バカ。しかも、根っからの子分体質とみた(笑
鷹生なんか目茶目茶憧れてるっぽいけど、現実の方だと鷹生の方が絶対出来た人間だと思うんですよねw