らじかるエレメンツ 2 (GA文庫 し 4-2)

【らじかるエレメンツ 2】 白鳥士郎/カトウハルアキ GA文庫


今回のメインヒロインはどう見たって、この表紙にデカデカと、というかテカテカと輝くアルミさんなのですが……正直に言ってしまうと、マーケティング的にこの表紙はどうなんだろう(苦笑
さて、このアルミさん。ハッキリ言って第一巻からこっち、とても嫌な娘で通ってます。性格が悪いのではないのですが、周りに対して余裕がない。自分の殻を守るために、周りに噛みつくようにして刺々しい態度を取ってしまう。他人から差し伸べられる手を振り払い、パニックになった犬のように近寄ってくる人に吠えかかり、後ろ足で砂をかける。
彼女の余裕のなさの原因はのちのち作中で明らかになるわけですけど、原因がいかなるところにあるにせよ、ああも針鼠な振る舞いをとってしまう辺りは、彼女は決して器大きい人物ではなく、小心者で臆病でプライドばかりが凝り固まった狭量で非常に難しい人物と言えるでしょう。
でも、それがいけない事なんでしょうか? いや、一連のアルミの行動は、明らかに限度を超えてて、よくまあ主人公にしてもクラスメイトたちにしても、見捨てなかったなあとは思うんですが。
でも、そんなちっさい人間だからって、敵役として憎まれ役として打ち捨てられるのが存在意義、なんて詰まらんでしょう?
殻にこもって出れないなら殻を叩き壊せばいい、器が小さいなら成長と言う経験によって大きな器になればいい。
幸いにして、この作品の舞台となる学校は、一人残らずバカばっかりの、毎日がいかれた馬鹿騒ぎで積み上げられたガラクタの山脈のようなふざけた学校だ。かたい殻を打ち砕く10tハンマーめいた人間の数には事欠かない。
なにより、主人公からしてどこか頭のねじが二・三本、違い場所に刺さってバカになってるみたいな大バカだ。それでいて、肝心なところは見逃さずに押さえてる抜け目のないバカでもある。その意気に応える人材もまた、多く揃っているわけで。
バカ騒ぎと言う狂乱の祭りさえ始ってしまえば、小人物の狭量なプライドなど、壁に叩きつけられた水風船みたいなものだ。
開き直りさえすれば、一気に世界は広大無辺に広がっていく。

なんて素敵な馬鹿騒ぎ(笑

今回は、前のメインヒロインだったはずの羽卵は、完全に埒外に追いやられ、キィーっと服の裾を噛むばかり。まあ、一巻の段階ではアルミでは恋愛闘争のライバルを担うには悲惨なほど役者不足だったからなあ。

しかし、主人公たちが所属する化学実験部だけが、学校内で飛びぬけて変人ばかりが集まった特異な集団なのかと思っていたんだけど……今回、生徒会選挙戦を通じて明らかになった事実を直視するならば、別段化学実験部って特別変じゃないじゃない。
文化系クラブの最大勢力が園芸部というのも変なんだけど、なにあの古代エジプト王朝は?(爆笑
いや、何言ってるかわからんと思うけど、園芸部は古代王朝なんだよ!?(意味不明
<血の選挙期間>と謳われることになる三勢力による、まぢで血で血を洗う非合法・超法規的手段も駆使されまくって、合法的選挙活動もそれ法解釈が柔軟過ぎみたいな、半分武力闘争入ってますよ? というバイオレスでエキセントリックな選挙戦は見どころ満載、というか読んでる間中、ゲラゲラ笑ってましたよ。
この学校、おかしい。頭、おかしい。
よく、なんかもう学校自体、先生含めて生徒全員変態的な大騒ぎコメディな作品多いけど、この作品の学校の変度は間違いなくトップクラス。
ネタの書き方、筆調も、やたらいかれてて笑い転げさせてくれるんですよね。アサウラさんの【ベン・トー】の友達ネタとか、【バカとテストと召喚獣】の掛けあいをさらに悪ノリさせて濃縮させたような、濃さと熱さ(笑
いやー、期待にたがわず面白かったー。最高。

どうやら、次で最終巻らしいけど、最後までこのノリで言ってほしいところです。