荒野に獣慟哭す 8 (8) (マガジンZコミックス)

【荒野に獣慟哭す 8】 伊藤勢/
原作:夢枕獏 マガジンZコミックス


シリーズ8巻にして、ようやく表紙が主人公以外の人物に。
って、摩虎羅ですか!
……いや、冷静に考えると主人公以外に表紙を飾れるような重要人物ときたら、今となっては主人公の御門の相棒にして、もうメインヒロインみたいなものである摩虎羅か、敵の御大将である薬師丸法山ぐらいなもんだもんなあ。
なんか、真ヒロインは他にもいたような気がしますけど、もう何巻も登場してないしなあ(笑
作中でも、ネタ扱いされてるしww
いや、でも摩虎羅は本気で美人だと思いますよ? 今回はドレス姿なんかもお披露目されてますけど、猿の獣化兵(漫画じゃ独覚兵か)にも関わらず。意外と腰も細くてスラッとしたいいスタイルしてるし。

今回はアクションは少なめ、と言っても冒頭はアニラとのカーチェイスのクライマックスで、相変わらず疾走感を通り越した爆走感迸る描写に、ファンデルワールス力とかハッタリ聞かせまくったエッセンスが弾けてて、その辺に伊藤勢節衰え無しってところですか。
ファンデルワールス力で慣性殺すとかできるんかいな?(苦笑 マッハGOGOGOだかなんだかのタイヤに、ファンデルワールス力が働いてるみたいなこと、調べてたらぶちあたったけど。

さて、今回の肝はなんといっても<ジャングル>でしょう。
南米はアマゾンの密林地帯。森の大海にして、獣たちの褥。
しばらく前に見た映画<アポカリプト>のそれも圧巻でしたけど、それ以上にこの漫画で描かれるジャングルは、なんかこうあの畏怖すべき秘境の本質を捉えているような気がします。
ここで描かれるジャングルは夜、月の光すら届かぬ、いや真昼ですら太陽の光が天上を覆う木々の腕に阻まれて下りてこない、闇の世界。
聞こえてくるのは、遠くより、また近くより、名もわからぬ獣たちの吠声。
この近代文明の人間が踏み入ること事態が間違っているような未開の地<ジャングル>の雰囲気が、凄いんだわ。
なんかこう、洒落にならん。恐ろしいのに、魅惑的で、体の芯にビリビリとくるものがある。
圧巻である。
毎度おなじみのアクションではなく、こうした舞台の存在感で圧倒されるとは思わなかった。
うわあ、やべえやべえ、この作品の面白さ、際限がなくなってきたぞ。