偽物語(上) (講談社BOX)

【偽物語(上)】 西尾維新/VOFAN 講談社BOX


一応、アララギ君の双子の妹たちが話のタネの物語のはずなんですけど、完全にあららぎハーレムですね♪
これを読むと、まだ前前作の化物語はまだ一応物語の体裁を保っていたんだと分かる。さすがは趣味200パーセント。もはや完膚なきまでに掛けあい漫才本。アララギ君が、これまで登場したヒロインたちを梯子して掛けあい漫才倒していくそのさまは、戦慄すら覚える倒錯振り。
とりあえず、女子中学生の家にフラフラと一人で遊びに行くな高校三年生ww

これの感想書くとなると、どうしてもキャラクターの感想になっちゃうんですよね。究極のキャラ小説だけある。
さて、メインヒロイン戦場ヶ原ひたぎのあの輝きっぷりは、なんなんでしょうね、あれ? アララギ君を監禁して虐げまくっている時の、あの楽しそうなこと楽しそうなこと。まるで欲しくてたまらなかったプレゼントを貰えてはしゃぎまくってる子供みたいで、なぜだか無性に微笑ましい気分に陥ってしまい、思わずニコニコと優しい笑顔で見守ってしまいましたよ。
やってることと言えば、監禁で虐待なのにな!(笑

しかし、こうやってヒロイン衆がまとめて登場すると顕著に、如実に浮き彫りになってしまうのだけれど。ひたぎってブッチギリでアブナいなあ(笑
ヒロインみんなぶっ飛んでいるけど、ひたぎはコミュニケーション自体が綱渡りと言うか、熱した火箸でチャンバラ三昧みたいな?
あれはあららぎ君でないと付き合えんわー。

そして、そのちゅららぎ君が一番輝いているのは、小学生にセクハラしているとき、というのは、こいつなんとかしないと。
あららぎ君が恋愛感情的に一番好きなのはひたぎというのは十分納得いくんですけど、単純に<好き>という括りで判別するなら、この野郎が一番好きで好きで、ちょっと正気を失うくらいに好きでたまらないのって、89寺ですよね? ワンコやぬこに対する接し方としてならともかく、それは人間相手にやると、というか小学生の女の子にやると本格的に変質者です。アホかー!
そのうち、家に連れ帰って飼いたいとか言いだしそうで、続編が怖い。
この監禁カップルめ。

何気に、今回一番地味にうれしくなってしまったのが、忍との和解だろうか。これがために傷物語があったのかと思ってしまうくらいに。正直、まともに喋ることができないくらいに人格が劣化してしまったのかと思っていたので、今回しっかりと以前のような姿を見せてくれたのは嬉しかったです。この二人の複雑で微妙ながらも誰よりも強い繋がりは、掛け替えないものでしたからねえ。

そして傷物語ではキスショットに並ぶメインヒロインだった羽川だけど、失恋を契機に、かなーり変わった感あり。とりあえず、ビジュアル面での変化は、ぜひ挿絵なり口絵なりで見せてほしかったですよ。
なんというか、以前はまだ不器用さというか純情可憐で繊細な部分もあったような記憶が無きにしもあらずだけど、今となってはなにこのタフネスガール?てなものである。
何度も彼女のことを<本物>と評しているけど、確かにもう完膚なきまでに隙のない、粗もない、完璧な本物に成長しちゃった感あり。あれは手に負えん。
それでいて、本命のあららぎ君を逃してしまったのは、彼女の<本物>であるが故、だったのか。

掛けあいという意味でなによりも楽しかったのは、やはり神原とのやり取りでしょうか。頭空っぽにして楽しいんですよね、あのエロ後輩との掛け合いは。
自他ともに認める下ネタ好きの変態でありながら、妙なところでノーマルというか、登場人物の中でもこいつ一番常識人じゃないのか? と思わせるところがあって、そこがやたらと大きな隙、脇の甘さみたいになってて、あららぎ君との漫才の攻め受けがクルクルと変わって、面白いんですよね。
結構ビジュアル面も女の子らしくなってるようなので、彼女のデザインも所望のこと。

さて、肝心の妹二人ですが、文化包丁の方は下巻の方が主体らしいのであんまり目立たず。
おっきい方も、あんまり強烈な印象ないなあ、なんでかなあ? と思ったんだけど、そうだ漫才が少ないんだ(w
このシリーズのメインである惚けた掛けあいが、この兄妹間ではあんまりなかったわけですわ。この兄ちゃん、妹に対してはけっこう厳格だかんなあ。
その分、お兄ちゃんお兄ちゃんしているわけですけど。正直、この男がここまで兄としての本分を常時有しているとは思わなかった。
ひたぎじゃないけど、かっけええ。
こんなのちゅららぎくんじゃねえ、ってくらいに。

化物語アニメ化、素直にとても楽しみなわけですけど。
作中であれだけ言われたら、もうダンシングEDは出来ないですよね?(苦笑