火の国、風の国物語4  暗中飛躍 (富士見ファンタジア文庫 し 1-1-4)

【火の国、風の国物語 4.暗中飛躍】 師走トオル/光崎瑠衣 富士見ファンタジア文庫


わははははっ、これは凄い凄い。あはは、滅茶苦茶おもしれえ!
主人公アレスの強さがはんぱねえ。完全に人外。リアル一騎当千。独り三国無双。ここまでやられると、もはや痛快以外のなにものでもありませんよ。
敵からも味方からも「りょりょ、呂布だぁぁぁ!」状態(笑
その戦場でのあまりにも華々しい活躍から、敵である反乱軍どころか味方の王国軍要人からも要注意人物として暗殺指令が下されてしまったアレス。
敵味方の両方から命を狙われるという絶体絶命のピンチに陥っているはずのアレスなのですが、その刺客の蹴散らしっぷりがもうすげえのなんの。そのあまりのデタラメっぷりにはもうなんか最後の方は、刺客側の方が可哀そうになってきちゃいましたよ。反乱軍側の刺客も、王国側の刺客も無能どころかかなり有能な人物で、相手が普通の人間なら絶対しとめられるような周到、場合によっては過剰すぎるくらいの手段を弄してるのにも関わらず、なんか反則みたいな勢いで突破されていくんだから。もう、見てるこっちとしたら笑っちゃうしかないですよ。あははは、もうこれ気持ちいいわw
しかも、アレス。本人自分がどれほどヤバい状況に置かれてるか、脳筋なのでよくわかってないしw
そう、このアレス。完璧超人とは程遠い、ステータス的に政治力・知力ともに一桁台ではないかという、完全に脳筋武人なんですよね。領地の内政代官の人なんて「領地と財産ぐらい簡単に騙し取れそうな気がしてなりませぬ」なんて言って憚らないくらい、駆け引きや腹の探り合いという類いのことに頭がさっぱり回らない人ですし。
がためか、どれほど強くても、あんまり嫌味がない。っつーか、その脳筋さがカッコイイ(笑
普通、これほど政治的に無能だと、ちょっと出世したり戦功をあげて目立ったりするとぽっくり抹殺されてしまうものだけど、物理的排除が絶対無理だもんなこれ、どうしようもないぞw

しかし、本来なら主人公サイドと思しき人格的にもキャラ的にも能力的にも優秀な人材たちが、どうして敵側に回ってるのかと不思議に思ってたんだけど……こんなアレスみたいなのを相手に立ちまわれるのは、それこそ一つの物語の主人公となれるだけの格のある連中でないと無理ですわ。それこそ、多少でも小物臭や悪党臭が漂った途端、雑魚のごとく蹴散らされかねないもの。
おかげで、アレスの回りはローランとかレオンとか変なのしか集まってないし(笑 まあ、こいつらはこいつらで妙に味が出てきて面白いんですけどw
義妹のエレナは、やっぱりメインヒロインは難しそうだなあ。今回、ほぼ出ずっぱりだったのですが、アレスに食われて目立ってなかったし。この子は妹でいいのかも。
となると、やはりメインヒロインはクラウディア王女か、パンドラということになるのか。パンドラ、さり気なくアレスが他の女に顔を向けてると嫉妬してるんじゃないかという素振り見せてるのが意味深だし。彼女、なんだかんだと自分に課せられている役割以上に、アレスに肩入れしてますよね? 本人、まったく自覚ないみたいだけど。

ちょっと驚きだったのは、クラウディアの兄。王太子のキャラですか。これまで登場してなかったので、いささか暗愚に傾いたキャラなのかと想像していたのですがこれがどうしてどうして。武人タイプではないものの、聡明で優しく、果断で理知的という次代の王に相応しい人物。
うーむ、となるとやっぱり危ないのかなあ。
王国の権力構造も、どうやら予想以上に王権が弱く貴族の勢力が強大な国体みたいだし。こりゃあ、かなりダイナミックなシフトチェンジが待っているのかも。あのジェレイドが着地点も見えないまま反乱軍を率いているわけはないだろうし、彼が企んでいるという大謀略に次回のクラウディアの戦を終わらせるための算段、それらが引き金になるのかも。

今回、読んでてもうめちゃくちゃ爽快で、面白かったのですぐにでも続きを読みたい気分だったんですよね。そこに、間をおかずに11月に次の五巻発売ときたら、師走先生サイコーとハグしたい気分。
続き、楽しみに待ってます。