グロリアスドーン7 少女は剣を振るう (HJ文庫 し 1-1-8)

【グロリアスドーン 7.少女は剣を振るう】 庄司卓/四季童子 HJ文庫



うはぁ、これはとんでもないスケールだ!
宇宙のどでかさをふんだんに活かしたスケールのでかい作品と言うと、ガイナックスの【トップをねらえ】シリーズや、最近でも【グレンラガン】なんかがありましたけど、それに匹敵するくらいの超巨大宇宙戦闘。
元々映像映えするような戦闘シーンがたくさんある作品でしたけど、今回のはとびっきりだわな。
とにかく、ティセ・グロリアスドーンの完全版がとんでもない。同じbioクラフトでも、ティセたち四姉妹の貴族と、他の市民とではまさに格が違うのかも。
惑星級以上の宇宙戦艦が登場するようなライトノベルってどんなのがあったでしたか。覚えている限りだと、古いですけど【五霊闘士オーキ伝】とか。同じ作者の【宇宙戦艦ヤマモトヨーコ】のTA2系列艦は、そこまで大きくなかった記憶が。
でも、それでもまだ惑星級戦艦の方が、グロリアスドーンに比べれば現実的。彼女のデカさは、自分みたいな文系人間が科学という名の技術力で想像しえる範囲を容易に飛び越えてる。
まだ今までの、1万光年10万光年をひとっ飛びするような航行能力なら、イメージの余地があるってもんだけど、単純にこうした巨大さを突きつけられると、その途方もなさに畏怖を抱かせられる。距離よりも、大きさの方が具体的な比較対象があるからか、容易にその途方もなさが想像できやすいんでしょうね。
HELLOのボスが抱いた印象のように、それはもはや神々の領域としか思えない。

そんな途方もない存在が、一個の人間型のホロン体としてパタパタ両手振り回してる、ってのも不思議な感覚になってくるわけですけど。
ただ、単純に彼らbioクラフトが、地球人類とまったく無関係の存在かと言うと、果たしてそう断言できるのか。著者の庄司先生はこれまでもたびたび、ある種のSF的どんでん返しを用意してきた人であるからして。先日完結した【トゥインクル☆スターシップ】然り。【ヤマモトヨーコ】然り。
あるbioクラフトがイモータルヌーンに追及しているように、彼女らが地球人類に接触する過程が、他の星系文明に対するそれとはいささかルールを逸脱しているんですよね。なんらかの、地球人類に対する特別な何かがあるのではないか、という疑念が浮かんでくる。
まあそれ以前に、ドリルが素晴らしいとか言ってる時点で、アレなんですけどw

チェーンソーは具体的に敵らしい。

さて、遂に直接登場と相成った四姉妹の長姉ティラ・イモータルヌーン。ほかの三姉妹から恐れられ、不信とともに距離を置かれている冷徹な政治家にして腹に一物抱えた策謀家、という外面を今まで見せられてきたおかげで……予想してなかったorz
下の妹たちが11歳、13歳、15歳ときたら、長姉が何を言い出すのか、王道パターンとして想像してしかるべきだった。

この作品、アニメ化したらもちろんティラの中の人は<井上喜久子さん>ですね?(笑

あとがきでの、ティセが語るティラの具体的な恐ろしさの例題が、なんだかよくわからないけど、妙に納得させられてしまった。いや、意味がよくわからんが確かに恐ろしい気がするw

ティオのランドセルネタは、ぜひカラー口絵でもやって欲しかった。挿絵も、あれはあれで素晴らしかったけど。未だにティオが十一歳というのはヒドいというか……ヒドいよなあ(爆笑

恋愛パートも、何気にティセが具体的な行動に! なんか、この作品の感想書いてると異様に<具体的>という単語を多用してしまいますね(苦笑
ティセの感情面は、内面が描かれないだけになかなか覗けてこないのですが、彼女には彼女なりに女性的な感情が渦巻いているんでしょうか。ティオなんか、最近はわりと内面分かりやすくなってるんですけど。なんだかんだと、子供っぽいことは分かってきたw
恋愛パートというと、恵子も迷彩効いてて、容易に何を考えてるか見せないのがもどかしいやら、期待させるやら。今回のクイックストーンの広大へのちょっかいへの妨害は、どう考えるべきなんでしょうね。元々、広大に対して好意はあると踏んでるんだけど、否定もしなけりゃ肯定もしない絶妙の距離で泰然と構えてるんで、判断が難しいんですよね。でも、ここいらで桜子や静花が広大のこと気になりだして、具体的に反応をうかがいだしてるし、さらにティセのあの行動。俄かに広大の身辺がにぎわってきた感もある中、恵子がこれまでのように絶妙の距離を維持し続けれるのか。
そっち方面でも期待が募ってきたところ。

今後の展開を担うであろうストーリーの裏側で進行する陰謀?も、人類、bioクラフト、メリグナントクラフトに続く怪しい第四の存在が現れ、bioクラフト内の無視できない反対勢力との動きと相まって、激しく動き出す予感。
予定では全十二巻らしいので、中盤を超えここからクライマックスに駆けあがっていくのか。こうご期待、てなところですか?