オウガにズームUP! (MF文庫 J ほ 1-4)

【オウガにズームUP!】 穂史賀雅也/シコルスキー MF文庫J

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ぐだぐだと現状にも彼女にも文句を言わず、ロリコンになりたいと考えている主人公は大変前向きです。花丸をあげよう。
これって、実際のところ積極的に相手――ククルのことを好きになりたいって思っていることですもんね。全然ククルに対して興味がなかったり、多少気になっていたり、という消極的なスタンスとは裏腹の、大変攻撃的、意欲的な態度だと見受けられます。

しかしまあ、前作でもそうだったけど、主人公のあのサバサバした性格は独特だよなあ。突然の不条理に慌ててたりパニックになったりしてるのは確かなんだけど、なんだかんだと物事受け入れちゃってるし。あんまりモノを考えてないようにも見えるんだけど、そうでもないんですよね。結構延々と内面描写ではグルグルとおかしな現状に思い悩んでる。ただ、悩むベクトルが人と違うんですよね。なんでこんなことになったんだろう、という過去への煩悶でも、これからどうしよう、という未来への不安でもなく、とりあえず結婚してしまったクルルに対して、どうしたらこの子に対して恋愛感情を抱けるようになるのだろう、というベクトルに悩みが向かってるわけで。しかも、悩んでいる割に打開策を巡らすわけでもなく、飄々と不可解な現状にそのまま乗っかっちゃってる。流されている、とも言えるんだけど、全然気にしてないといえばそう見えるんだよなあ。
不思議不思議。
ただ、漠然とロリコンだったらよかったのになあ、と思ってるあたり、暢気というか器が大きいというか。

ストーリー展開はちょっと苦労している雰囲気。サムライ族とか、ちょっとバタバタしすぎてて、どうなのかと。
変に手を広げずにククルとユージの二人の関係を掘り下げていった感じの話の方が見たいんだけどなあ。前作の素晴らしい恋愛譚の出来栄えを見てると、まだまだこれでは物足りないですよ?