スクランブル・ウィザード2 (HJ文庫 す 3-1-2)

【スクランブル・ウィザード2】 すえばしけん/かぼちゃ HJ文庫

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第一巻でも気になってたんだけど、ヒロインの月子。イラストだととても12歳には見えないんですよね。どうしても高校生以上に見えてしまう。新しく登場したもう一人も、中学生には見えん。胸とかw
や、胸はいいんだけど、お陰でどうにも本文読んでても認識が一致しなくて混乱気味。
先生と小学生というなかなかインパクトのある年齢差のカップリングなだけに、その辺の印象が薄れてしまって勿体ないんじゃないかなあ、と。

小学生がヒロインという作品ながら、中身の方は相変わらず死人がざくざく排出されるハードな展開。魔法士の中でも月子の複数施呪(マルチキャスティング)という能力が、どれほど特異で異端なものか、一巻ではまだよくわかっていなかったんだけど、今回その力の一端を見て納得。これは桁が違うわ。
言うなれば一人軍隊・ワンマンアーミー。限界施呪量がどれほどなのかまだ描写されてないけど、現段階で既に二百近い魔法の同時詠唱を可能としている以上、通常の魔法士数百人分の働きを一人で成し遂げてしまうという化け物であることは間違いないわけで。
しかもこの能力、単一の魔法の複数施呪だけじゃなく、複数の種類の魔法も同時に起動できるのだとしたら、その応用範囲たるやとんでもないことに。防御魔法と攻撃魔法、補助系魔法に索敵魔法。これら四種を同時に仕えるだけでもほぼ無敵状態だし。
その上、月子はこの能力完璧に使いこなしてるもんなあ。二百近い魔法をそれぞれ個別に精密制御した節があるし。
これは、十郎が彼女の能力を隠そうとするのも無理からぬこと。姉ちゃんのこともあるしねえ。ただ、隠ぺいするにしても月子に使用を控えさせているだけじゃあどうにもならんだろうし、何らかの根本的な対策を練らんことには、なにもしてないのと同じことになりますよ。
ただ、月子はまだまだ自分の力の危険性を正確に理解しているとは言い難く。そりゃ、12歳の子供だもんなあ。この歳にしては聡明だし、大好きな先生のいうことだから、健気に言うこと聞いてるけど。
しかし、この能力の強大さを知れば知るほど、同じ能力を有していた十郎の姉ちゃんへの、政府の酷使っぷりが理解できない。これだけの能力を持ってる魔法士を、果たして前線ですり潰すような使い方をするだろうか。しかも、身内を人質に取るような真似までして強制的に。
読んでる限り、魔法士というのは非常に希少で価値の在る存在のようだし、その魔法士の中でも特別な存在である人物を、こんな風に扱うとは……。別に戦時下にあるわけでもなし、国として切羽詰まってるわけでもなかろうに、こういう人材は優遇してなんぼのはずなんだがなあ。

その姉ちゃん、どうやら死亡したというのは偽装で生存は確定の模様。ただ、同じ境遇だった連中がことごとくヤバい道に足を踏み入れ、人としての在り様から足を踏み外しているのを見ると、彼女も果たしてどれほど人格的変容をきたしてしまっているのか。
真っ先に彼女を探しに行きたいであろう十郎だけど、その姉と同じ能力を持ってしまった月子にこれほど頼り切られては、この男も完全に板挟みだよなあ。姉を探しに行くということは、月子を見放すということだし。いかな相手が小学生とはいえ、あそこまで真っ向から告白されたらぞんざいには扱えない、変に律儀なところのありそうな男だし。
ただ、ロリコンの卦は一切なさそうだから、異性として扱われようと思うと月子の場合十年くらい我慢しなきゃならなさそうだけど。この男の場合、高校生でも対象にならなさそうだしw

能勢くんは、どうやらこの人も足踏み外しそうだなあ。最初から明らかにヤバい性格でしたけど。ただ、こういう危ない人が味方で居続けてくれるというのも、破裂寸前の爆弾を抱えてるみたいでなかなかスリリングで面白いと思うんですけど。