Landreaall 13 (13) (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)

【Landreaall 13】 おがきちか IDコミックス/ZERO-SUMコミックス

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読んだ。 読んだ読んだ読んだ読んだ読んだよーーーーー!
Landreaallだ。ランドリオール、Landreaall!!!♪♪

いやっっほおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!

Marvelous!!
Marvelous!!
Marvelous!!
Marvelous!!
Marvelous!!

狂乱である。狂喜乱舞である。面白い、面白いったら面白い。面白すぎて死んでしまいそうになるほど面白いったら面白い!
主人公のDXがほとんど登場しないって言うのに、この常軌を逸した面白さはいったいなんなの? 素晴らしいったらありゃしない。
もう決定ですよ、決まってしまいましたよ。本年度における漫画作品のナンバーワンはこのLandreaallで決定! 決まりったら決まり。

DXと六甲が竜胆の一件で不在の中、突如アカデミーをはじめとする王都に襲いかかってきたスピンドルと呼称される危険種モンスターの大群。
アカデミー内に取り残された生徒たちは急遽、アカデミー騎士団を編成。戦力として、なにより指導者として誰もが最適と認めるDXが不在という状況で、彼らはティ・ティを司令官に、カイルを現場指揮官に配し、襲い来るモンスターから、学園女子寮に立てこもった自らたちを守る戦いを開始する。

最初にスピンドルが襲ってきた段階で、女子生徒と初等部の子供4人が重傷を負ってしまっている。当面、女子寮に立てこもってさえいれば安全は確保されるものの、彼らを放置すれば死んでしまいかねない状態。
それで、とにかくその重傷者たちと初等部のこどもたち、女子生徒たちを優先して脱出されることになった、というのが前12巻までの展開。

と、いきなり冒頭の63話で、相談役と寮監がえらい不穏な会話を交わしているんですよね。
バイオテロってなんですか!?
そこで五十四さんの名前が出てくるということは、あのおたふく風邪の流行は意図的なものだったとでもいうのだろうか。それも五十四さんに感染すること、彼女が自国に戻ることを狙って?
実害は出ていないのは、巻末のオマケで明らかになってるけど、どういう意図によるものなんだ?
うわぁ、これもしかしてめちゃめちゃ重要な伏線? この大変な状況下でまたえらいことを。
いや、意図的ではなく結果的に、と考えれば、意図せぬ形でアトルニア王国がウルファネアにバイオテロを仕掛けたことになり、国家間の軋轢につながりかねないとかそういうアレかい?
いや、その問題をつっついて、アカデミーとして竜胆と五十四さんの身の安全をアトルニアに保障させようという、学長と彼女の彼らなりのDXへの回答が、これなのかしら。
うむむ、これかなり危ない橋渡ってるぞ。強引すぎる。アカデミーに対して国の上の方の人たちが面白からぬ感情を抱く可能性も。だから、レイ・サークが関わりたくないとか言ってるのか? 無理っぽいけど。


何とか負傷者、初等部と女子の半分を脱出させることに成功。その一方で、ティ・ティの指揮のもとに脱出組の支援のために陽動に回っていた部隊のうちの一つが孤立してしまう。
刻々と変転し、悪化していく状況の中、ティ・ティはその一隊を見捨てる決断をする。
今回、DXが不在の中一番重たい役目を背負わされたのはティ・ティで間違いないだろう。皆は彼の王家の人間と言う血筋、リーダーとしての資質、司令塔としての頭脳を信頼し、彼の決断に諾々と従い、彼はその期待に応えて、未成年の一学生としてではなく、時として非情な決断を迷わない組織の長として振る舞う責任を果たし続ける。
ティ・ティ。良く見ると、時間が経つにつれて痩せてってるんですよね。トリクシーとの共感を、限界以上に使ってたってことなんだよね。その上で、疲労も磨滅も周囲には気づかせず、常に冷静さを保っていた。鷹揚で頼もしいその姿を。
彼もまた、指導者が、特に危急時の指導者がどういう態度を取るべきか魂から理解している人間であり、その恐ろしさをわきまえている人間だったということなんだろう。
無邪気にDXの周囲を跳ねまわっていたイオンも、ようやく立場の責任というものをこの事件を通じて実感したみたいだし。
最初は、一個人の武芸では何もできないことを思い知り、組織の一員として動こうとして、自分が王家の人間としてその言葉が、行動が、存在が他人を動かし、時に命を掛けさせる重きをなすという事例を、実体験として経験してしまうことで、常々兄貴のDXが逃げ回っていた人を導く立場に立つという事の意味を、理解する。
それが、どんなに恐ろしく、人の心を容易に押しつぶしかねない重たいものなのかを。自分の言葉が他人を死地に追いやり、自身の間違いが自分以外の人々を傷つけ、命運を決定づけてしまう、その恐ろしさを。
彼女も、いつまでも無邪気な武芸達者な女の子のままじゃいられないということなんだろうね。自覚し、自ら望むことで、彼女は本物のお姫様になろうとしている。
今までだって、無自覚にその言葉で、態度で、周りの人たちに多大な影響を及ぼしてきたのだけれど。フィルが自分の生き方を、彼女の言葉で決めたように。これからは、いずれ彼女は人の運命を決定づける己の言葉を、自らの意志で口にする機会が訪れるのかもしれない。
彼女の聡さ、賢さは、実に健気で無垢で、自身の至らなさ、間違い、未熟さをすんなりと認めることができるんだよね。そこが、イオン・ルッカフォートの掛け替えのない魅力であるんだろう。

この一連の危急で、ティ・ティやカイルをはじめとする貴族階級、騎士候補生たちはその高貴なるものの義務を徹底して果たすことになるんだけど。
うん、この物語の舞台となる世界では、身分はけっこうきっかり固まってるんですよね。アカデミー内でも、それらは厳然として存在する。アカデミー騎士団結成の段階でも、その辺でゴタゴタあったしね。
もちろん、騎士候補生たちはその身分に驕って偉そうにするのとは違い、徹底して自分たち以外の身分の者たち、女性らを自らを犠牲にしても守ろうとする。それは誇り高い尊い行為なんだろうけど……ライナスが愚痴る気持ちも分かるんですよね。対等に扱いやがらねえって。
体裁と友情の両立か。身分の違い、立ち場の違いは厳然としてあるとしても、友情に分け隔てはないはず。
ティ・ティとフィルの罵り合いには、なんか泣きそうになった。
んで、立ち場の違い、身分の違いは厳然としてあるとして、このアカデミーでともに剣を持ち、命を賭けて戦ったという共通の経験が、アカデミー攻防戦で刻まれたのは、とても大きなことなのかもしれない。
ただ守られる立場に甘んじることなく、自らも剣を取った商人や下層階級、高位貴族の面々。
対して、貴族や騎士候補生の連中にも。これは、戦いが終わったあとのフィルとハルたちの会話が象徴的だったかな。
市街地にもモンスターによる被害が出ていたことで、フィルが家の様子を見に戻ろうとするんだけど、ハルや貴族連中たちは市街地は騎士団が守ったから大丈夫だと、胸を張るんですよね。それは、自分たちがアカデミーを守ったことと重ねるように。
でも、フィルはあっさりと自分たち貧民が暮らす外周を、騎士団が守るはずないだろう、と告げて行ってしまう。憎しみも皮肉も怒りもなく、ただ淡々と事実を告げるように。
そのことに、ハルは思わず涙を流し、貴族連中も項垂れてしまう。自分たちが騎士団は外周も守った、と言い返せなかったこと。フィルがその事実を当然として受け止め、落胆もせず、そもそも期待もしていないということが、情けなくて、悔しくて。
自分たちは自分たちが目指す騎士団と同じように誇るべき戦いを果たしたつもりだったのに、自分たちと同じように戦ったフィルに、そんなわけない、本物の騎士団は君の家族も守ったに違いない、と言えなかった。これは、自分たちが誇ろうとしていた自分たちの勝利すらも、その程度だったと思い知らされる想いだったんだろうなあ。
でも、そんな彼らに横で聞いていたハルの婚約者のジアが言ってくれるんだ。
「ハルが議会に入る頃にはみんな騎士団にいる そうでしょ? 今日ここで戦った仲間が大勢騎士になってる 議会にもいるわ そうしたらフィルに堂々と言い返せるわよ 「外周だって騎士団が守るに決まってる」「君の家は安全だ」って! 信じるわ 私たちの騎士団はそうなるって ね! 約束して ハル」


身分の違いや、立場の違いは、この先も無くなることはないだろう。だとしても、それを越えたつながりが、共感が、この戦いを通じて繋がった気がする。
このアルトニア王国の未来は、この一日を境に決定的に変化したのかもしれない。次代を担う若者たちが、この日、手にしたものはとてつもなく大きいものだったに違いない。

そして、いなくてもその存在感が消えるどころかとてつもなく大きかったDX。
常々彼が抱き、感じ続けていた境界の人間としての想い。ルーディーが言うところの貴族だけど頭の中は傭兵という、上に立つ人間と個として振る舞う人種の両方の立場の狭間で泳いでいる彼が常から抱いている相克を、イオンやハルたち、DXを知りながら彼を理解しきれていなった人々が、この戦いの中で経験したことを通じて彼の想いの一端を共感していく姿が印象的だった。

そして、ティ・ティが戦い終わってこぼした一言。DXとリドが帰ってくる場所を守れた、という一言と本当にうれしそうな笑顔が……ああもう泣きそう。
さっきのハルの涙の場面もそうだけど、あらゆる場面で泣きそうに。
泣いちゃいそう。

素晴らしい、あまりにも素晴らしい大傑作回でした。
最ッ高!!


そして、ラスト。まんを持してメイアンディア登場(やんややんや

巻末漫画が、また気になる書き方を。耳、耳。巧妙に隠しやがって、耳(読んだ人はわかるでしょ?
んで、アンちゃん。やっぱり性別は不明なのか