世界平和は一家団欒のあとに〈6〉星弓さんちの非日常 (電撃文庫)

【世界平和は一家団欒のあとに 6.星弓さんちの非日常】 橋本和也/さめだ小判 電撃文庫

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柚っち可愛いよ、柚っち!
というわけで、今回は短編集だったのですが、星弓さんちのお嫁さんこと柚島の出番が多かったので素直に嬉しかったり喜ばしかったり。
ライトノベルにゃ、それこそ星の数ほどヒロイン様はいらっしゃるわけですけど、柚っちほど【嫁】っぽい感じのするヒロインはなかなかお目にかかれませんよ。
なんでだろう。やっぱり、作品の骨子が家族モノだからかしら。なんだかんだで、星弓家の家族の絆が話の中心になりますしね、いつも。そこに積極的に絡んでくる柚島は、他人にも関わらず既に家族の一員みたいな感覚で存在しているわけで。その上で、軋人に対して彼の性格、考え方、咄嗟の反応、長所短所、全部を飲み込んだ上で、苦言を呈しながらも好きにやらせつつ、でも手綱を握っているっぽいのが、長年連れ添った女房みたいなんですよね。もう、恋人ですらない今の段階で、軋人は柚島に尻に惹かれて頭あがってないし。
でも、なんだかんだ言いつつも、軋人の意見や意地は尊重して支えてくれるわけで。そりゃ、頭あがらんわなあ。柚っち、年下なのにねえ。
もう結婚しちゃえよw


悪党退治は何カロリー?
妹、美智乃が体重増加に発狂して、ダイエットを敢行。このはっちゃけ娘の無茶苦茶な行動に巻き込まれるのが兄貴の宿命なんだろうけど、はっきり言って自分から首突っ込んでるから自業自得なんじゃない? このシスコンめ。
まあ、彼の場合、もう一人の妹の事もあるわけで、なんだかんだと美智乃を溺愛するのも無理ないんだろうけど。


星の王子さま
ナチュラルに星間危機に巻き込まれてるあたり、星弓家の業を感じるわけですが、そのきっかけを軋人に持ち込んできたのが柚島であるのはどう考慮するべきなんだろう。別に、変な想像を巡らせんでもいんだろうけど。
柚島も世話好きなんだけど、これ読んでると軋人も相当だよね。柚島のクラスメイトへの屈託のない友達づきあいの仕方見てると、なんでこいつ友達少ないのかよくわかんないんだけどね。


刃の行方
これが、この短編集でもメインなのかな?
星弓家の面々って、どいつもこいつも殺しても死ななそうなメンツばっかりなんだけど、その中で唯一軋人だけは、やたらと危なっかしいところがあるんですよね。わりとあっさりと、ちょっとしたアクシデントでぽっくり死んじゃいそうな、生命線の細い雰囲気がある。情が深い分、その情が命取りになって、しくじりそうな。
この話は、そんな軋人の危なっかしいところがもろに出たようなお話で。軋人はあれで賢明な男だから、自分の致命的な部分は勿論心得ているんだろうけど、こればっかりは業に近いものだからして、似たような出来事に直面したら、結局また危ない橋を渡ってしまうんだろう。それを繰り返していたら、いずれ取り返しがつかないことになることは承知しているだろうに。柚島からしたら、たまったもんじゃないんだろうけど。彼女の性格からしたら、こんな危なっかしい野郎、そりゃ放っておけなくなるわなあ。


大邪神の夜
珍しい、彩美・七美のお姉ちゃんコンビのお話。随所に、彩美姉ちゃんと竜助が上手くいってる様子が伺えて、この辺ニヤニヤさせられるなあ。
こりゃ、作品が終了するまでに結婚までこぎつけるんじゃないのか、これ。
さて、肝心の内容は、二人の学生時代に解決した事件の後始末、みたいな感じの話で。邪神退治、と見せかけて、過去の人間関係の決着が真相にくるあたり、この作品らしい展開で。
七美って、力は家族内最強だとしても、ほんとに不器用なんだなあ。彩美に対しても、もっと説明の仕方とか誤魔化し方ってのがあるだろうに。それに、力がある分、自分ひとりでやろうとする傾向もあるのかも。なまじ、物事の本質を直観的に誰よりも早く捉える事の出来る人間であるのも、独走の原因なんだろうけど。周りの人間が事態の把握に右往左往してる間にも、彼女は事の本質に立ち向かっているわけで、そりゃ第一歩にこれだけ差がひらいてしまえば、一人で突っ走ってしまうんも無理からぬところなんだろうけど。かと言って、器用にスマートに物事をスパッと解決できるような人間でもないから、だいたいややこしいことになってしまうんだろうけど。
いや、なんでも一人でやっちゃおうとしてしまう傾向は、他の家族も同様か。彩美にしても、そのせいで友人と拗れたんだし、両親もこの間、家族崩壊の危機に陥ったわけで、軋人も妹のことで傷を負ったんだし。大変だねえ、この家族も。そりゃあ、柚島が放っておけなくなるわけだ(笑


そろそろ、弟くんの話もして欲しいところかなあ。でも、こいつ絡め難そうなのはよくわかる。女の影でも見えてきたら、面白そうなんだけどw